2019 Fiscal Year Annual Research Report
関節拘縮予防を目的とした効果的な電気刺激条件の検討に関する研究
Project/Area Number |
19K21495
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
佐藤 勇太 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (30819313)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 関節拘縮 / 関節固定 / 後肢懸垂 / 電気刺激 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節拘縮は,関節固定下におかれることで関節の周囲組織に変化が生じ,関節の可動範囲が減少した状態であり,日常生活に支障をきたし,完治しづらく,長期的な介入を必要とする.従来の研究においては,発生過程で下肢の非荷重を伴うことで関節拘縮が重篤化し,その原因が骨格筋の筋収縮減少に伴う伸張性の低下であることが明らかにされている.関節拘縮を予防するための最適な方法は,筋収縮の減少に直接介入できる電気刺激である可能性があるが,十分検討されていなかった.そこで,本研究の目的は,特に刺激頻度と1回の刺激時間について着目し,電気刺激の適用方法の違いが下肢の非荷重を伴って生じた関節拘縮に与える影響について検討することとした.先行研究において,30分/日の電気刺激を毎日実施することは,不十分ながら関節固定と下肢の非荷重によって生じる関節拘縮の予防効果を有することが確認されている.そこで,まず刺激頻度に着目し,関節固定と下肢の非荷重の期間中に30分/日の電気刺激を毎日1回実施する群と毎日2回実施する群を作成し電気刺激の効果検証を行った.その結果,毎日2回実施する群の関節拘縮は,毎日1回実施する群と比較して発生が軽度であった.次に1回の刺激時間に着目し,関節固定と下肢の非荷重の期間中に30分/日の電気刺激を毎日行う群と60分/日の電気刺激を毎日行う群を作成し電気刺激の効果検証を実施した.その結果,30分/日の電気刺激を毎日行う群の関節拘縮は,60分/日の電気刺激を毎日行う群と比較して発生が軽度であった.以上の結果により,電気刺激の関節拘縮に対する予防効果は,1回の刺激時間を延長するよりも刺激頻度を増やす方が有効である可能性があることが示唆された.今後は,電気刺激による過度の筋疲労のリスクを考慮し,最小限の電気刺激条件を検討していきたいと考える.
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