2019 Fiscal Year Research-status Report
閉経女性の熱中症予防に向けた最適な運動処方および栄養処方の開発
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19K21497
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
丸井 朱里 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (50824554)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エストラジオール / 熱中症 / 体温 / イソフラボン / ゲニステイン |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】実験①についてはトレーニング実施後の暑熱暴露に対して、卵巣摘出による暑熱下での体温上昇に差がみられなかった。実験②については、昨年度までの研究により、通常環境下におけるゲニステインの体温、活動量への影響が確認されたため、実験②を中心に実施した。【方法】卵巣摘出後の雌ラットを、ゲニステイン含有食の群(ゲニステイン群)と、ゲニステイン非含有食の群(コントロール群)に分けて実験を行った。4週間、各食餌を摂取させ、腹腔内温度、活動量、体重、摂食量、摂水量を測定した。4週間後の暗期開始4時間後より、34℃2時間の暑熱曝露を行った。体温、活動量は実験期間中を通して測定した。【結果】通常環境下における体温は、ゲニステイン群においてコントロール群よりも一日を通して有意に低い値を示した。通常環境下における活動量は、コントロール群とゲニステイン群のあいだに有意な差は認められなかった。暑熱環境下においては、暑熱開始直後にゲニステイン群においてコントロール群よりも体温が上昇しにくい傾向がみられたが、統計的な有意差は認められなかった。暑熱環境下における活動量は、群間に有意な差は認められなかった。体重、摂食量、摂水量は2群とも同程度の推移を示した。【考察】通常環境下では、ゲニステイン摂取により体温が低下したが、これは活動量低下によるものではないと示唆された。暑熱環境下では、ゲニステイン摂取により暑熱開始直後に体温が上昇しにくい傾向がみられたが、暑熱終了時の体温はゲニステインの摂取に関わらず同程度を示した。よって、大豆イソフラボンの一種であるゲニステインは、雌ラットの通常環境下の体温調節には影響を及ぼす一方で、暑熱環境下の体温調節には影響を及ぼさない可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在本研究に関連する論文1本を投稿中である。また、その他に投稿準備中の論文が1本ある。
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Strategy for Future Research Activity |
実施期間を延長したため、ゲニステインの摂取量を増やすことで再検討する。
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Causes of Carryover |
海外出張がなくなり、当初より出張費を使わなかったため。また、体温測定用デバイスの電池消耗が当初よりも低かったため、購入を控えた。今年度は、物品費として、新たにデバイスを購入して実験を実施する予定である。
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