2019 Fiscal Year Annual Research Report
運動による動脈硬化度の軽減に関与するアディポカインの同定と分子機序の解明
Project/Area Number |
19K21499
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
長谷川 夏輝 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (00822850)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アディポカイン / 動脈硬化 / 脂肪 / 有酸素性トレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
体内の過剰な脂肪蓄積は動脈硬化度を増加させるが、有酸素性トレーニングは脂肪蓄積を低下させ、脂肪細胞から産生されるアディポカインであるCTRPsの血中濃度を増加させることで動脈硬化度を低下させることが報告されている。昨年の研究成果から、有酸素性トレーニングによりCTRPsは精巣上体脂肪から発現増加することを明らかにした。しかしながら、脂肪組織からのCTRPs発現が亢進していることが、実際に動脈硬化度の低下に影響しているのか否かは明らかでない。そこで本研究では、有酸素性トレーニングにより発現増加した脂肪組織からのCTRPsが動脈硬化度の低下に関与しているかについて検討することを目的とした。 本研究では、8週齢の肥満モデルマウス(ApoEKOマウス)を用いて、①16週間の高脂肪食摂取による安静対照群(Donor-Con群)、②16週間の高脂肪食摂取に加えて有酸素性トレーニング(自発的回転車輪運動)を行う群(Donor-Ex群)、③12週間の高脂肪食摂取による安静飼育後にDonor-Con群の精巣上体脂肪を腹腔に移植して4週間安静飼育を行う群(Recipient-Con群)、④12週間の高脂肪食摂取による安静飼育後にDonor-Ex群の精巣上体脂肪を腹腔に移植して4週間安静飼育を行う群(Recipient-Ex群)に分別し、24週齢時に動脈血管を摘出し、動脈血管内の脂肪沈着面積をOil Red O染色を用いて動脈硬化の指標として評価した。 動脈血管内の脂肪沈着面積は、Donor-Con群と比較してDonor-Ex群で優位に低値を示した(P<0.05)。また、Recipient-Con群と比較してRecipient-Ex群は優位に低値を示した。これらの結果から、有酸素性トレーニングによる特定の脂肪組織からのCTRPs発現の増加は血液を介して動脈硬化度の低下に関与している可能性が示された。
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Research Products
(4 results)