2018 Fiscal Year Annual Research Report
膝前十字靭帯再建後に生じる関節拘縮の動物モデル確立と誘因の解明
Project/Area Number |
18H06427
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
金口 瑛典 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (10826704)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 前十字靭帯再建 / 関節拘縮 / 関節線維症 / 動物モデル / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前十字靭帯(ACL)損傷は、代表的なスポーツ外傷の一つである。スポーツ復帰レベルの回復にはACL 再建術が必須となるが、合併症として多くの患者で関節拘縮が生じる。再建術後の関節拘縮は、スポーツへの復帰を妨げるため、予防や治療を必要とする。しかし、ACL 再建後の関節拘縮の形成メカニズムは殆ど不明であり、効果的な治療法は確立されていない。これらの原因の一つとして、適切な動物モデルが確立されていないことが挙げられる。 そこで本研究では、1)ACL 再建後に生じる関節拘縮の動物モデルを確立すること、2)ACL 損傷とその後の再建術における一連の手順のうち、どの要因がどの程度関節拘縮形成に関与するかを明らかにすることを目的とした。 平成30年度はACL 再建後に生じる関節拘縮の動物モデルを確立することを目的に研究を行った。ラット膝関節のACLを切断した後、再建術を行い、その後の他動可動域の経時的変化を調査した。その結果、可動域は1週までに約50°減少し、12週後も約20°の可動域制限が残存した。さらに、関節拘縮の生じた膝の組織学的解析と遺伝子発現の解析の結果、関節内の癒着や線維化関連遺伝子の増加により特徴づけられる関節線維症が生じていた。これらの結果から、ACL再建後のラット拘縮モデルが確立できたといえる。 今後はこのモデルを用いて、ACL 損傷とその後の再建術における一連の手順のうち、どの要因が関節拘縮形成に関与するかを明らかにすることを目的として研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度はACL 再建後に生じる関節拘縮の動物モデルを確立することを予定していた。予定通りACL再建後に生じる関節拘縮のラットモデルを確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回確立できたラットモデルモデルを用いて、ACL 損傷とその後の再建術における一連の手順(ACL損傷、骨孔作成、グラフトの固定)のうち、どの要因がどの程度関節拘縮形成に関与するかを明らかにすることを目的として研究を進める。 また、これまでに得られた結果に関して、学会発表と論文作成を行う予定である。
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Research Products
(3 results)