2019 Fiscal Year Annual Research Report
膝前十字靭帯再建後に生じる関節拘縮の動物モデル確立と誘因の解明
Project/Area Number |
19K21503
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
金口 瑛典 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (10826704)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 前十字靭帯再建 / 関節拘縮 / 関節線維症 / 動物モデル / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝前十字靭帯(ACL)損傷は、代表的なスポーツ外傷の一つである。主な治療法である靱帯再建術は、膝関節の安定性を回復させる一方で、関節拘縮などの合併症を引き起こす。術後の関節拘縮は日常生活活動やスポーツ復帰を妨げるため、予防や改善が必要である。ACL再建術後の関節拘縮に対する治療として、関節可動域運動や持続的他動運動が行われているが、十分な効果は得られておらず、現在のところ効果的な治療法は確立されていない。 ACL損傷とその後の再建術における一連の操作のうち、どの要因が、どの程度、関節拘縮形成に関与するかは知られていない。そこで2019年度は、2018年度に確立した動物モデルを用いて、ACL損傷とその後の再建術における一連の手順のうち、どの要因がどの程度関節拘縮形成に関与するかを明らかにすることを目的に研究を行った。ラット膝関節に対し、関節包切開、ACL切断、骨孔作成、ACL再建を行い、これらの操作が関節可動域に及ぼす影響を調査した。その結果、主に筋性拘縮を反映する筋切断前の可動域は関節包切開により減少し、骨孔作成によりさらに悪化した。また、関節性拘縮を示す筋切断後の可動域は骨孔作成により減少した。これらの結果から、ACL再建後に生じる関節拘縮において、再建靱帯そのものよりも、手術に伴う関節包や骨への侵襲が中心的な役割を担うことが示唆される。 本研究の結果は、ACL再建後の関節拘縮に対する効果的な治療法の確立につながる重要な基礎的データであると考える。
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Research Products
(6 results)