2019 Fiscal Year Annual Research Report
The investigation of patellar tendinopathy using animal models and ultrasonography
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19K21510
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金本 隆司 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20512049)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 超音波診療 / 腱障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に確立した動物モデル・評価系を用いて、損傷膝蓋腱の治癒過程のエコー画像と組織解析の比較を行った。膝蓋腱のみの切除と膝蓋骨と膝蓋骨を同時に切除したモデルを比較した場合に、膝蓋腱の治癒様式の明らかな差異を認めた。膝蓋骨を同時に切除した群では、再生組織のvolumeが顕著に豊かであることに加えて、残存腱組織の肥大が認められた。これは、ヒト膝蓋腱(膝蓋骨・脛骨骨片を含む:骨付き膝蓋腱)採取後の超音波画像と同様の変化であり、本モデルが疾患モデルとして適当であることが示唆される。また、再生組織と残存腱の連続性(integration)に関しても明らかな差異を認めた。膝蓋腱のみ採取した群では組織の非連続部を認めた個体が無い一方で、膝蓋腱に骨切除を追加した場合は、再生組織と残存腱組織との明らかな非連続部が存在した。これらの結果は、手術で骨付き膝蓋腱を採取した場合の採取部の処置の重要性を示唆している。今回比較した二つのモデルのいずれの治癒過程が臨床上望ましいのかは、より詳細な生物学的およびバイオメカニクスの観点からの検討が必要である。 次に、二つの腱障害モデルを処置後3か月間、超音波画像で観察した。組織像を基準に比較すると、膝蓋腱採取モデルでは、経過中に漸次残存腱および採取部は低エコーを示すようになり、徐々に組織間の識別が困難となった。その一方で、骨付き膝蓋腱採取モデルでは、肥大した残存腱は持続して高エコーを示し、その間隙にやや低エコーの再生組織と思われる像が観察された。腱組織に関して、超音波で描出される画像と組織像を比較した既存の報告は少なく、エコー画像を解釈するうえで重要な知見である。 また、膝蓋腱切除モデルを用いて、トレッドミル走行負荷の効果を検討した。トレッドミル走行負荷の影響としては、走行負荷群で自発活動量が維持されるという結果となったが、膝蓋腱の治癒には明らかな差異は無かった。
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