2019 Fiscal Year Annual Research Report
ターゲットの移動予測時における視線活動と脳活動様式の解明
Project/Area Number |
19K21514
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
越澤 亮 日本大学, 経済学部, 講師 (80822791)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | eye position / position error / 予測 / Saccade / 運動前野 / 頭頂領域 / 脳波 / 周波数解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は,コンピュータディスプレイ上を移動するターゲットが途中で見えなくなる中,眼球によってターゲットを追跡している時に,どのような脳内処理の下で,どのような視線活動を遂行しているかを明らかにすることである。 移動ターゲットが見えなくなった時のEye positionと脳波をミリ秒オーダーで同時計測した結果,ターゲットが途中で見えなくなるのにも関わらず,ターゲットを終始見続けられる課題と比較して,移動ターゲットとEye positionとの距離(position error)に差がなかった。これは,ターゲットが途中で見えなくなった時にSaccadeを行うことでposition errorを最小限にとどめていると考えられる。また,ターゲットが途中で見えなくなった時の脳波を周波数解析した結果,ターゲットを終始見続けられる課題と比較して,頭頂領域周辺での活動が有意に高かった。この結果は,途中で見えなくなくなったターゲットの位置を予測するのに関連した活動であると考えられる。さらに,移動ターゲットが見えなくなった時のposition errorと脳波の相関関係を分析した結果,運動前野,頭頂領域,視覚領域の活動性が高いほど,移動ターゲットが途中で見えなくなる中でも,よりposition errorを減らせることが示唆された。 移動するターゲットをどのような思考の下で見るべきか,「視線ストラテジー」を提示することで,円滑な球技スポーツの教育や指導が期待できるが,本研究で得られた成果はその資料の一部になり得ると考えられる。
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