2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of evaluation methods considering gender differences for sports performance
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19K21516
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
坂本 慶子 明治学院大学, 教養教育センター, 助手 (50771250)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スポーツパフォーマンス評価法 / 女子サッカー / キック動作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,女子スポーツ競技種目を代表とすると考えられる女子サッカーにおいて,選手のパフォーマンス評価指標の1つで あるキック動作の「蹴り脚スイング速度生成」について多角的な視点から明らかにし,女性スポーツ競技のパフォーマンス評価法の基盤を創生することを目的としている. 2018年度では,課題の一つである性差及び競技レベル,身体的特徴から生じる動作の違いの解明において,大学体育会サッカー部に所属する熟練女子選手25名を対象とし,最大努力下でのインステップ及びインサイドキックを行わせ,光学式 3 次元自動動作分析装置を用いて身体代表点の 3 次元座標値データ,地面反力計を用いて,蹴り脚軸脚それぞれに作用する力データを収集した.2019年度では,女子選手間で大別して2タイプのインステップキック動作が観察され,タイプの異なるグループで比較したところ,フォワードスイング時の骨盤の左右屈角度と軸脚接地時の骨盤前後傾角度に違いを発見し,女子サッカー選手が効果的にボール速度を高めるための技術的要点の1つを示すことができた.この得られた結果を基に,研究2(差異を考慮したパフォーマンスの評価法の確立)において,サッカーキック動作の3次元モデルを用いた順動力学シミュレーションを行い,パフォーマンスの向上を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画における課題の一つは,性別,競技レベル,身体的特性から生じるキック動作の違いや普遍的特性の解明であった.しかしながら,身長や体重等の多様な身体的特徴有する女子選手のキック技術を比較検討するための海外選手を対象とした実験実施にあたり,海外共同研究者とのスケジュールの調整がつかず2019年度の研究計画に遅れが生じた.現在では,当初の目的を成し遂げるため補助事業期間の延長をし,2020年度の最優先課題として海外選手の動力学データの収集・解析を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度では,新型コロナの収束次第,実施が遅れている海外での女子選手のキック動作のデータ収集について海外の共同研究者とスケジュールを調整し,実験を遂行する予定である. また,当初の予定通り3次元順動力学シミュレーションのモデル作成は継続しており,海外でのデータ収集が完了次第,3次元順動力学シミュレーションから得られたデータを基に,女子選手に効果的な技術と実際の選手の動作と比較し,選手の目標とするスイング速度における生成の達成度を評価する方法を構築する.2020年度後半に構築した方法を用いて,様々な身体的特徴を有する女子選手に科学的データを提示しながら介入し,構築した評価方法の妥当性を検討する.2019年度に得られた研究成果は学会大会で発表し,同時に論文投稿も行う.
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Causes of Carryover |
2019年度内に身長や体重等の多様な身体的特徴有する女子選手のキック技術を比較検討するための海外選手を対象としたボールキック実験を行う予定であったが,実験実施にあたり,海外共同研究者とのスケジュールの調整がつかず2019年度の研究計画に遅れが生じた.女子選手のみのデータ収集に留まった.これは研究1の予備実験後,そのデータを基に共同研究者とデータの精度や今後の研究遂行に関する議論に時間を割き,本実験遂行までに時間を要したためである.2019年度分の実験(海外女子選手のデータ取得)は,新型コロナウィルスが収束次第実施し,2020年度できる限り早い段階で遅れを取り戻す予定である.
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