2019 Fiscal Year Annual Research Report
細胞ストレス応答の解析から迫る「疲労」の分子細胞生物学的実態
Project/Area Number |
19K21517
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
赤井 良子 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助手 (60823317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 疲労 / ストレス / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
古くから今日に至るまで疲労研究は心療内科学、栄養学、感染学、免疫学、睡眠学、脳神経科学など様々な視点から行われてきた。その甲斐あって疲労を科学的に評価する方法は確立されつつあり、血中の酸化ストレス度や唾液中のヘルペスウイルス数などは疲労の指標となっている。また以前には信じられていた学説も訂正されつつある。例えば、無酸素運動時に筋肉組織中で生じる代謝産物の乳酸は疲労を生じさせるかのような誤解があったが、現在では乳酸にそのような機能は備わらないことが確認されている。その一方で未だに疲労の実態を理解することはできておらず、誰しもが感じる疲労の発生/回復メカニズムはほとんど分かっていない。その大きな理由として研究代表者は疲労研究への分子生物学および細胞生物学的な取り組みが弱いからだと考えている。そこで本研究では細胞ストレス応答や炎症反応に焦点を絞り、疲労の分子メカニズムに迫ることを一つの目的として独自で開発した4種類のストレス可視化マウスを利用した。これらのマウスは異なるストレス(小胞体ストレス、酸化ストレス、統合ストレス、炎症ストレス)に応答して発光する性質を有しており、その発光を検出できる装置を使えば、マウスを生かしたままで特定のストレス応答分子が「いつ」「どこで」活性化するのか調べられる。各ストレス可視化マウスへの1週間の疲労負荷を与えながら、生体イメージング解析を行った。また実験終了時には血液の採取および各種臓器からRNAの抽出も行い、質量分析機や次世代シークエンサーを用いたオミックス解析も行った。
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Research Products
(3 results)