2018 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of exploratory motor behavior
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18H06449
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
上原 信太郎 藤田医科大学, 保健学研究科, 講師 (30725130)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 運動探索 / 外側前頭前野 / 経頭蓋磁気刺激 / 経頭蓋直流電流刺激 / 反応時間課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である運動探索と外側前頭前野(Prefrontal Cortex; PFC)の神経活動との関連性を調べるため、PFCの神経活動を定量化できる評価指標の可能性を検証した。PFCは対側第一次運動野(M1)の神経活動に対して抑制性の影響を及ぼすことが知られている(PFC-M1抑制)。このことから、この抑制の強さはPFCからの出力、つまりは神経活動の程度を表す間接的指標として利用できる可能性がある。そこで、PFCを動員することが示されている認知課題実行中にPFC-M1抑制を評価し、本指標がPFC神経活動を間接的に表す指標として有用か否かを検証した。 被験者(n=15)には視覚刺激に基づく単純・選択反応時間課題をそれぞれ実施してもらい、その課題実行中(準備/応答期間)にPFC-M1抑制の動態を評価した。準備期間(”Go”刺激前)にはPFC-M1抑制が確認されたものの、応答期間(”Go”刺激呈示から実際の運動応答が生じるまで)にはPFC-M1抑制が消失した。これは、単純・選択反応両課題において確認された。更に、選択反応時間課題における”NoGo”条件においても抑制の消失が見られた。この結果は、運動実行の意思決定に関連してPFC-M1抑制動態が変化する可能性を示し、同指標がPFCの活動変化を反映することを示唆している。次に、同領域の活動量とPFC-M1抑制変調との間の因果の可能性を検証するため、経頭蓋直流電流刺激によってPFCの活動を修飾した際のPFC-M1抑制を評価した(n=15)。ところが、活動量の増減が期待されるいずれの刺激介入でもPFC-M1抑制に変化は生じなかった。このことから、PFC-M1抑制の変調は、必ずしもPFC領域の脳活動量の増減に応じたものではないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PFCの神経活動を定量化できる評価指標の可能性を検証する当初の目標を達成したと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、PFC-M1抑制は、PFC領域の活動量を表す間接的指標としての有用性に疑問が残る結果となった。そのため、今後は運動探索行動におけるPFC領域の関与をより直接的に検証するため、PFC領域の神経活動に対する干渉が運動探索行動に与える影響について検証を進める予定である。
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Research Products
(3 results)