2019 Fiscal Year Annual Research Report
アイススラリーによる運動能力向上のメカニズムに関する研究ー中枢神経系に着目してー
Project/Area Number |
19K21524
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
鬼塚 純玲 広島文化学園大学, 人間健康学部, 講師 (20827349)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 暑さ対策 / アイススラリー / 認知機能 / ヴィジランス課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
暑熱環境下における運動前のアイススラリー摂取が運動能力を向上させることは多数報告されているが,その背景にあるメカニズムはまだ十分に明らかにされていない.申請者はアイススラリーの摂取が非侵襲的に測定したヒトの脳温を低下させることを明らかにし,脳温の低下がメカニズムのひとつである可能性を示した.脳温の過度な上昇は脳活動に有害な影響を及ぼし,認知機能を低下させ,それが運動能力の低下につながると考えられている.したがって,脳温の低下による運動能力の向上は,脳活動や認知機能への有害な影響の抑制によるものだと考えられる.そこで本研究では,アイススラリー摂取による脳温の低下が,その後の暑熱環境下における運動中の脳活動および認知機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.平成30年度までに認知課題としてヴィジランス課題を使用することが決定したため,令和元年度はこの課題を使用した予備実験を行うこととした.まず,本研究と同じような実験条件で使用され,かつ認知的疲労が生じたという結果を報告しているJames et al.(2016)の課題をもとにプログラムを作成した.実際の競技現場において運動中は終始頭を働かせていることを想定し,主観的指標の測定および飲料の摂取以外は認知課題を行うよう,課題は1回7分程度とした.この課題を使用して,室温34℃および湿度50%の環境下において最大酸素摂取量の55%の負荷で40分間の自転車運動を行うプロトコルで予備実験を行った.課題は運動開始前および運動開始直後,10分,20分,30分,運動終了後のタイミングで実施した.結果として,運動前と比較して運動終了後に認知機能が有意に低下することが示されたが,運動中に認知機能が低下するという現象を再現したいため,今後も運動強度や運動時間を変更して予備実験を重ねていく予定である.
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