2021 Fiscal Year Annual Research Report
重み付き有向グラフに対するパラメータ化近似アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
19K21537
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土中 哲秀 名古屋大学, 情報学研究科, 助教 (30824982)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラフアルゴリズム / 計算複雑性 / パラメータ化アルゴリズム / グラフ最適化問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフ最適化問題は道路ネットワークや社会ネットワーク,取引ネットワークなどの様々な実ネットワーク上の問題として,工学,情報学,経済学をはじめとした様々な分野で現れる.それらの多くは,現実的な時間で解を求めることが難しいと考えられているが,近似アルゴリズムやパラメータ化アルゴリズムといった高性能アルゴリズム設計手法の発展によって,これらの計算困難問題にうまく対処する方法が知られつつある.本研究では,一般に広く研究されている重み無し無向グラフのみならず,重み付き有向グラフなどのより記述力の高いグラフ上で定義されるグラフ最適化問題に対して,近似アルゴリズム,パラメータ化アルゴリズム,パラメータ化近似アルゴリズム等の高速高精度アルゴリズム設計論の基盤を構築することを目指す.
本年度は,グラフ最適化問題であるカクタス頂点削除問題,および偶数長閉路横断問題に対する繰り返し圧縮法を用いた固定パラメータ容易アルゴリズムを設計した.本アルゴリズムは既存アルゴリズムの計算時間を改善したものとなっており,これらの研究成果は査読付国際ジャーナルであるTheory of Computing Systems誌に出版された.
また,本年度は期間延長による研究期間であり,前年度までが正規の研究期間であったため,これまでの研究成果の国際会議発表の内容を中心に取りまとめ,査読付国際ジャーナルであるDiscrete Applied Mathematics誌やAlgorithmica誌,Theoretical Computer Science誌に出版した.本研究テーマは継続課題に引き継がれるが,これまでに得た知見をもとに本研究テーマの更なる発展が期待できる.
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