2018 Fiscal Year Annual Research Report
適応的身体表現に基づくヒューマノイドロボットの全身最適制御
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18H06472
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
石原 弘二 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (40822531)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 最適制御 / ヒューマノイドロボット / 低次元モデル / 運動生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒューマノイドロボットは多くの関節を持つため,その身体表現(モデル)は多くの自由度を持つ.モデルを利用する最適制御を用いてロボットの運動を生成することは,運動生成に必要な計算時間が自由度に依存するため,膨大な計算時間がかかることから困難であった.そこで本研究の目的は,運動タスクの達成に必要な低次元の身体表現を適応的に推定し,その身体表現のもとで最適制御を行う手法を開発することで計算時間の問題を解決することである. 本年度では,まず,低次元の身体表現から少ない計算時間で様々な運動を生成できることを明らかにするため,運動タスク達成に必要と考えられる時不変な低次元の身体表現を事前に導出し,その身体表現のもとでの運動生成を実現した.さらに,適応的に低次元の身体表現を導出する手法の開発を始めている. 時不変な低次元の身体表現として,ヒューマノイドロボットが持つ身体部位のうち,伸展・屈曲方向の運動に関わる身体部位のみから構成される身体表現を用いた.この低次元の身体表現に対して最適制御を適用し,運動生成を行った.外転・内転および外旋・内旋方向に運動する身体部位は,計算負荷の低い手法(PID制御)を用いて制御を行った.運動タスクとして,シミュレーション上のヒューマノイドロボットにおいて宙返りなどのダイナミックな運動制御と,実機ロボットにおいて平面や斜面上でのバランス制御を実時間で実現した.この成果により,適切な身体表現を導出することができれば,少ない計算時間で様々な運動を生成可能であることが明らかになった. 適応的に身体表現を導出する手法の開発では,スパースコーディングを用いて,疎な身体表現を導出することを試みている.具体的には,事前に用意した運動軌道と基底(身体部位)から,その軌道を表すのに必要最低限の疎な基底(疎な身体部位)を推定することを行い,推定時間や精度について検証を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,時不変な低次元の身体表現から実時間で様々な運動を生成可能であることを明らかにするとともに,スパースコーディングを用いて身体表現を導出している.さらに,手法の開発のための新たな課題を見つけ改善に取り組んでいることから,当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,疎な身体表現の候補をあらかじめ決定し,その中から最も運動タスクを達成する身体表現を見つける問題を解く.これにより,新たな課題であった推定時間の問題を,身体表現の候補を限定することで最適化問題の規模を小さくすることにより解決する.
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