2020 Fiscal Year Annual Research Report
非言語的情報を活用したスマートアシスタントシステムの開発
Project/Area Number |
19K21541
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 一画 筑波大学, システム情報系, 助教 (80826975)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スマートアシスタント / 音声インタフェース / 非言語的情報 / コミュニケーションロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、既存の音声のみを用いるスマートスピーカにおいて発生するウェイクアップワードの制約を排除し、利用者が必要とする適切なタイミングでコマンド認識を開始する手法の実現を目的とした。そのための方策として、人間同士のコミュニケーションにおいて対話の開始に用いられる「注視」に着目し、それを利用可能なスマートスピーカの開発を行った。2018年度には、注視の入出力を用いるシステムの実装を行い、その効果を検証するための評価実験を実施した。実験結果に基づき執筆した論文は、国内の査読付き論文誌へ採録され。さらに論文賞を受賞した。2019年度には、共同研究を行っているストックホルム大学と連携して被験者が複数人の状況での評価実験を実施した。実験結果に基づき執筆した共著論文はHCI分野のトップカンファレンスの一つであるCSCW2019に採録され、さらにHonorable mention を受賞した。
2020年度には本研究の提案システムを応用し、スマートスピーカにおける新たなインタラクション手法として、デバイスの注視の入出力機能を活用した音声通話機能を実現するシステムの実装を行った。提案システムにおいては、対面状況において会話の成立前に生じる発話者・受話者間の注視のやり取りに着目した。提案システムでは、離れた場所にいる発話者・受話者の注視情報をデバイスを介して伝達しあい、相互注視が成立した場合に音声通話が自動的に開始される機能を実装した。実装したシステムを用いた評価実験を実施し、提案したインタラクション手法によって相手に話しかける心理的負担が軽減されることが示された。この結果に基づいて共著論文を執筆し、現在国際会議に投稿中である。
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