2020 Fiscal Year Annual Research Report
自然資源の観光利用における保全及び管理推進策としての利用者負担の評価に関する研究
Project/Area Number |
19K21557
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
加藤 麻理子 信州大学, 全学教育機構, 准教授(特定雇用) (60826957)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自然資源管理 / 協働型管理運営 / 利用者負担 / 持続可能な観光 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然資源の観光利用における利用と保全の両立を目指すには、自然資源の適切な管理と利用者の満足度を高める魅力的な利用の両面を重視した取り組みの推進が重要である。本研究では、前年度に引き続き、世界自然遺産の登録推薦候補地となっている「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の構成地域の一つである沖縄北部やんばる地域を主たる対象地として、自然資源の持続的な管理、利用について地域住民が様々な形で参画・関与する取組の調査を実施した。今年度は新型コロナウイルス感染症対策を受けた移動制限及び自粛のため現地調査等は実施できなかったことから、文献調査と遠隔調査によるヒアリングを主に行なった。また、世界自然遺産の登録推薦のプロセスの進捗において、同じく新型コロナウイルス対策の影響で例年開催される世界遺産委員会が開催延期となったこと、世界的に観光業全般が極めて通常と異なる苦しい状況に置かれたことも踏まえて、新たな観光利用や今後予想される来訪者増加に関する検討事項以外の部分を重点的に実施した。特に環境省と沖縄県が実施している外来種対策のマングース防除事業の作業員(マングースバスターズ)の自然資源の管理への寄与と、将来的な観光利用への展開の可能性について分析した。 また、2020年5月に「今後の自然公園制度のあり方に関する提言(環境省自然公園制度のあり方検討会)」がとりまとめられ、利用者負担について今後も検討を進める旨の内容が盛り込まれていたことを踏まえ、全国の自然公園等における新たな取り組み事例として、長野県内の各地の関連事例や妙高戸隠連山国立公園等に関する情報収集を行った。
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