Legislation based on Multi-Agent Simulation for Re-Design of AI Society

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19K21572
• Research Institution: Ritsumeikan University
• Principal Investigator: 服部 宏充 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (50455581)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 新保 史生 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20361355)
• Project Period (FY): 2019-06-28 – 2022-03-31
• Keywords: マルチエージェントシミュレーション / 法情報学

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、様々な社会現象を模擬するマルチエージェントシミュレーションと、論理表現に基づく情報の取り扱いに適した論理型言語ベースのソフトウェアを接合させ、社会への新たな法や制度の導入の検証を簡易に行うための環境の確立を試みるものである。本環境では、法律やルールなど人の行動に関する制約情報を新たに加えその影響を調べる際、法律やルールをPROLEGの知識として挿入すればよく、シミュレータには極力変更を加えず、簡易な実装と実行を可能とすることを目指した。
本環境の開発は、既開発のマルチエージェント都市シミュレータ（MACiMA）と法的推論システムPROLEGを接合させ、法的推論の実行機能が組み込まれたエージェントを含むシミュレーションを実行できる環境の構築を目指すものである。これまでは、MACiMA-PROLEG間での相互作用を介して”法的推論可能なエージェント”を実現していたが、数千ないしは数万エージェントの規模でシミュレーションを実施するためのスケーラビリティ確保の必要から、MACiMAの基盤であるGAMAとPROLEG間でのTCP通信を可能とし、２つのソフトウェアを効率的に接続することを可能にする再実装を行った。本実装により、開発環境上でのシミュレーションの実行効率を大幅に引き上げ、利用しやすい環境とすることができた。
本環境を用いて、任意の道路区間の混雑状況に基づき、混雑の悪化回避のために特定クラスの車両を混雑区間へ進入禁止にするといった、状況に対応し適時考慮が求められる交通制御ルールを適用した場合の交通状況を計算し、ルールの動的適用についての検証を行った。