2021 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋内脂肪に着目したサルコペニア肥満の新たな定義の提案
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19K21576
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 実 筑波大学, 人間系, 教授 (30525572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 秀典 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 理事長 (60232021)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | サルコペニア肥満 / 超音波画像 / 転倒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベースライン調査を受診した1260名を対象に、郵送による追跡調査により3年間で発生した転倒・骨折の有無を調査した。また、2021年10月にパネル調査を行い、3年間の身体機能の変化を調査した。ベースライン時の大腿前面部の超音波画像データより、高齢者を4群に分類した。Group 1は低筋質/低筋量、group 2は低筋質/良筋量、group 3は良筋質/低筋量、group 4は良筋質/良筋量とした。ベースラインおよびパネル調査では、身体機能を計測した。測定項目は、5m快適歩行、5m最大歩行、timed up and go test、片脚立位、握力、膝伸展筋力であった。 追跡調査は773名で完了し、パネル調査が可能となったものは327名であった。3年間で178名が転倒を経験し、group1では50名(29.9%)、group 2では31名(24.2%)、group 3では26名(19.5%)、group 4では71名(20.6%)であった。Group 4をリファレンスとした場合に、group 1では有意に転倒発生が高いことを示し、その調整済みハザード比は1.54(95%信頼区間1.06-2.23)であった。同様に、骨折をアウトカムとした場合でも、group 1では骨折発生が高まる傾向を示したが、有意な差は認められなかった。身体機能のパネル調査では、5m快適歩行、5m最速歩行、片脚立位時間、握力で有意な時間主効果を認め、いずれも3年後に機能が低下していることを示した。また、握力に関しては有意な交互作用を認め、ベースラインで低筋質が認められたgroup 1およびgroup 2 においてより低下しやすいことが示された。 これらの結果より、筋質と筋量の両方が低下した場合に転倒発生リスクが高まること、また筋質が低下している場合に筋力低下が生じやすくなることが示された。
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