2022 Fiscal Year Annual Research Report
地理空間ビッグデータとスパコンを用いた高齢者の生活基盤評価
Project/Area Number |
19K21578
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
大西 立顕 立教大学, 人工知能科学研究科, 教授 (10376387)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | COVID-19 / 電話帳 / 店舗・施設数 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症による店舗・施設数の増減を全国規模で推定する手法を開発し,買い物困難,生活困難,限界集落になる潜在的なリスクを考察した.年に数回更新され,店舗・施設毎に業種や住所の情報が付与されている電話帳データを用いて,数ヶ月の時間解像度で市区町村毎に店舗・施設数を推定した.データは2018年9月から2021年5月までの12時点で,各時点約500万レコードあり,業種は大分類で25,小分類で322に分類されている.データのレコード数は年々減少傾向にあり,電話帳に登録されていない店舗・施設も存在することを考慮して,店舗・施設数の変動率を業種間で比較することで分析を行った.データのバイアスを減らすため,分析期間中に業種の分類コードが変更になった一部の業種,データの更新頻度が極端に少ない一部の都道府県は分析から除外した.新型コロナウイルス感染症の発生前後における店舗・施設数の変動を解析した結果,旅行代理店やカラオケなどの娯楽を提供する店舗・施設は発生後に一部の県で大きく減少し,特に茨城県,大阪府,兵庫県で減少幅が大きく,栃木県では比較的減少幅が小さいことを明らかにした.飲食店・旅行関連の店舗・施設は,東京都や大阪府など都市部での減少が特に顕著であることも分かった.東京都と大阪府において美容・ファッション関連のサービス業,その他のサービス業に関係した店舗・施設は大きく減少していたが,暮らし関連のサービス業に関係した店舗・施設はそれほど減少していなかったことも明らかにした.これらが高齢者の生活基盤に与える影響についても考察を行った.
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