• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2020 Fiscal Year Research-status Report

スライアモン語のアクセント研究の新展開―母語が異なる研究者による共同研究の試み

Research Project

Project/Area Number 19K21627
Research InstitutionTokyo University of Foreign Studies

Principal Investigator

渡辺 己  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (30304570)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Keywordsセイリッシュ語族 / スライアモン語 / アクセント / 音韻論 / 音声学
Outline of Annual Research Achievements

本課題の2年目である2020年度は,年度当初からCOVID-19拡散による未曾有のパンデミックのため,海外渡航ができず,海外での現地調査によるデータ収集および海外研究協力者との共同研究を活動の大きな柱としている本課題にとっては非常に困難な1年であった。年度末にはその状況が改善し,現地調査のためカナダへ渡航できるようになることに望みをかけ,代表者・渡辺己がこれまで収集してきた音声資料のメタデータの整備を続け,現地調査の準備をしていたが,結局年度内の渡航はできない状況であった。
新しいデータの収集,古いデータの良質な再録音ができないため,これまでに収集した音声データの聞き直しをおこない,それぞれの語について,強弱および高低の特徴を記し,それをデータベースへと記録していく作業をおこなった。本課題の1年目にもおこなった作業であるが,想定していたよりもはるかに時間のかかる作業であったため,渡航できないこの機会になるべく作業を進めた。消滅の危機に瀕している言語の,できるかぎり詳しく正確なデータを,将来さまざなな形で利用できるように整備するという,基礎的であり,非常に重要な作業であるので,その意義は大きいと考える。
研究協力者のパトリシア・ショー氏(ブリティッシュ・コロンビア大学)とはカナダで,あるいは日本へ招へいして対面で集中的に共同研究をおこなう予定を組んでいたが,これもコロナ禍のために実現できなかった。そこで,年度内に何度もメールで連絡を取り合い,研究協議を続けた。やはり「音節」とは何かという根本的な問題があり,それに関する意見交換をおこなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本課題のための新たなデータを得るための海外での現地調査が必要であるが,コロナ禍という未曾有のパンデミックのためにそれがおこなえなかった。さらに海外在住の研究協力者と,対面で会い,一緒に音声を聞き取る作業もする予定だったが,それもこのコロナ禍のためにかなわなかったので,進捗状況はやや遅れていると言わざるをえない。
ただし,過去に収集したデータの整理・整備を進め,研究協力者ともメールで意見交換を続けているので,研究がまったく止まってしまっているわけではない。

Strategy for Future Research Activity

今後も引き続き,これまでの音声データの整備を続けることと,直接話者とおこなう現地調査を,可能な限りおこない,さらに研究協力者とも同じデータを聞きながら,お互いが観察できる音声現象を提示し合い,研究討議を重ねていく。ただし,これもコロナ禍が終息しない限りはできないことであるので,終息を期待しつつ,海外渡航ができなかった時の方策も考えている。例えば,音声解析ソフトのPraatを今まで以上に使い,すでに手元にある過去に収集したデータを解析すること,さらに代表者と協力者がなんらかの方法でその音声データを共有して,互いに同じものを聞き,共同研究を進めることを考えている。
アクセント・ピッチ・母音の長短などと深い関わりがある「音節」についての考察を深める必要があり,これについては専門家である研究協力者に,関連する先行研究を紹介してもらい,それを踏まえた研究討議を進めることを計画している。

Causes of Carryover

COVID-19によるコロナ禍という未曾有のパンデミックのため,計画していたカナダでの現地調査および,カナダ在住の研究協力者と現地,あるいは日本へ招へいして会うということができなかったため。2021年度は渡航が可能になり次第,カナダへ行くために,その旅費で経費を使う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] A Sliammon Text: “First Pregnancy”, as Told by Mary George2021

    • Author(s)
      Watanabe, Honore
    • Journal Title

      Asian and African Languages and Linguistics

      Volume: 15 Pages: 93-103

    • DOI

      10.15026/99898

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi