2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of Method of Studies on Scripts in Asia
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19K21628
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
荒川 慎太郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (10361734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 英夫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (60282779)
永井 正勝 東京大学, 附属図書館, 特任准教授 (70578369)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 言語学 / 文字学 / 文字論 / 字形 / 筆画 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本国内には、アジアの古今の文字(インド系文字、楔形文字、甲骨文字、契丹文字など)に造詣の深い言語系研究者が数多く存在する。そこで10名程度の研究者を集め、代表者が主査となって、所属機関における共同研究プロジェクトを実施している(2017~2019年度、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題「アジア文字研究基盤の構築1:文字学に関する用語・概念の研究」。研究分担者 2名も共同研究員)。この所内予算で招集する研究集会を活用して、本課題のスタートアップミーティング、研究討議も行った。本研究の趣旨から、海外渡航と原文の実見調査は不可欠である。既存の図録やインターネットの画像などを鵜呑みにすることなく、原文の子細な観察を行なうためである。具体的には、代表者荒川のロシア渡航(東洋文献研究所で西夏文字字典『同音』調査)などであり、本応募の研究費の大半を占める外国旅費を使用した。本年度の特筆すべき渡航調査と結果として、荒川のロシア(サンクト・ペテルブルグ東洋文献研究所における西夏語文献調査、2020年2月)が挙げられる。西夏語の字書『同音』、『文海』の実見調査を通して、従来5画とされてきた部首の一部が3画であり、部首の意味から3・5画の相違となることが明らかになった(本研究発表は日本言語学会第160回大会(2020年6月)に採択済)。また、上記ミーティング・研究会に加え、メール審議で文字の研究術語に関する議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響が出始めた2020年初頭の、ロシアにおける調査は幸い無事、そしておおむね計画通り行うことができた。 文字研究のための研究術語の討議も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により、2020年度前半の調査渡航は難しくなった。可能であれば年度末の渡航調査としたい(それも難しくなった場合は基金制度を利用し、翌年度に渡航を延期する)。
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Causes of Carryover |
代表者荒川が2020年3月、研究発表を行うため京都に出張予定だったが、新型コロナウイルスの影響により学会が中止となったため、出張を取りやめた。分担者永井の購入予定だった物品もコロナウイルスの影響で初年度の納品が難しくなったためとりやめた。繰り越し分は翌年度の国内出張などに利用する。
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