2022 Fiscal Year Research-status Report
トンガ語幼児発話コーパス構築と母語獲得研究への活用及び少数言語継承への影響の考察
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19K21634
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
大塚 祐子 上智大学, 外国語学部, 教授 (30794474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大滝 宏一 中京大学, 国際学部, 准教授 (50616042)
木戸 康人 九州国際大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (30800841)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | トンガ語 / 第一言語獲得 / 自然発話コーパス / 能格言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はトンガ語の母語獲得研究に活用するための幼児発話コーパスの構築に向けて、1~3歳の子供とトンガ語母語話者の保護者とのやり取りを長期にわたって映像と音声で記録し、英訳、語レベルのグロスなどのアノテーションを付与することである。 コロナ禍でトンガへの渡航が困難な時期が長く続いたこと、2022年1月には海底火山の噴火で大きな被害を受けたことなどから、トンガでのデータ収集が不可能な時期が長く続いたことを受け、対象をハワイ在住のトンガ人家庭に変更して研究を遂行することに決めた。現地コーディネーターを採用して、2022年8月より1歳の子供一名と2歳の子供2名と、モノリンガルのトンガ語話者である祖母とのやり取りを二週間に一度、30分程度録画する作業を開始し、2023年3月末までに10回分の録画データを収集した。 収集したデータはCHAT形式で書き起こし、アノテーション付与を行い、CHILDES (Child Language Data Exchange System)に保存し、研究者に一般公開する。このデータ処理作業に協力してくれるトンガ人母語話者のアシスタントの採用と作業の研修を2022年2月に実施した。 トンガで暮らすトンガ人家庭という当初の計画は変更されたが、海外のトンガ人コミュニティで暮らすトンガ人家庭で収集されるデータは、近年研究が盛んになりつつある継承言語環境における言語獲得の研究に大きく寄与することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で海外渡航が不可能だった期間が長く続き、計画変更の方向性の検討に時間がかかったことで、データ収集を開始する時期が大幅に遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
同じ家庭の協力をいただき、今年度も引き続き同じ子供3名の言語発達の様子の録画を二週間に一回、30分ずつのペースで進める。一方で、既に収集した録画データの書き起こしと文レベルの英訳を付与する作業を同時進行し、できるだけ多くのデータの処理を年度末までに完了する。
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Causes of Carryover |
データ収集開始が遅れたため、現地調査のための旅費及びデータ収集に関わる謝金(協力家庭、現地コーディネーター、現地アシスタントへ)の支出が一年分しか生じなかった。次年度使用額は、ハワイでの現地調査にかかる旅費と研究協力者への謝金に使用する。
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Research Products
(2 results)