2019 Fiscal Year Research-status Report
Muslim-Confucian intellectuals of the Cham and syncretism between Islam and Confucianism in Vietnam
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19K21648
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
新江 利彦 鹿児島大学, グローバルセンター, 特任准教授 (60418671)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | チャム / チャンパー / ベトナム / イスラーム / 儒教 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ベトナム漢文とチャム文による儒教とイスラームの融合に関する研究者ネットワークと研究環境の構築である。2019年度は、3回の海外調査(ベトナム7/24-8/02, 12/27-1/03, 中国11/07-12)、1回の国内調査・会合出席(10/05-07)を行い、図書館や集落知識人書架、信仰施設書架において資料収集を行うとともに、研究者、集落知識人と情報共有を行い、ネットワークと研究環境の構築をはかった。
11月の中国調査では、海南省三亜市で2つの海南チャム族集落(ムスリム集落)回輝村、回新村で言語及び歴史文化資料収集、モスク(清真寺)の碑文・墓碑銘調査及び聞き取りを行った。また三亜市内の孔子廟(崖城学宮)の科挙合格者碑文において海南チャム族ムスリムの合格者の有無を確認した(チャム族ムスリムと思われる氏名はなかった)。
12~1月のベトナム調査では、ビントゥアン省の2つのチャム族集落(バニー集団)Palei Bhumi(扶持村)、Palei Mali(合義村)、2つのキン族漁労民集落(ヴァン集団)福禄漾、新隆漾、4つのキン・チャムのクレオール集落(キンキュウ集団)遵教村、新睦村、春光村、春會村、2つのキン族農耕民集落―泰合村、春安村の信仰施設調査を行い、施設が所蔵する祭祀・儀礼文書の撮影を行った。15世紀初頭のチャム族のイスラーム聖者「Po Klaong Barau」(新たな主)は、キン族(ベトナム族)によって「Chua Duong Tu」(主楊鬚)という土地神と見なされ、チャム族本来の土地神である「Po Adam」のキン族による呼称「Duong than」(陽神)と習合し、配偶女神(天依阿那聖母 Po Nai、陰神 Po Ha-oa)と共に、チャム族と共存する儒敎・仏教信仰者であるキンキュウ集団や隣接キン族の集落信仰施設の中心に祀られていることが確認できた。以上。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は初年度であるため、採択通知から年度の終了までの期間が短く、調査の実施に当たり若干の困難があったものの、年度最後の海外調査終了(2020/1/03)時点では新型コロナの影響もほとんどなく、おおむね順調に計画を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は新型コロナの影響により、海外調査・国内調査とも実施が極めて困難になると予想される。また、勤務先が変わり、過去の収集資料の保管が難しくなった。2020年度においては、①電子メールやSNS、ホームページを使用した日本・中国・ベトナムなどのパートナーとの連携を進めるとともに、②緊急事態宣言の終了後に、国立国会図書館東京本館や同関西分館、東洋文庫、みんぱく図書室、各大学図書館などにおける資料収集や、学会・研究集会における発信と意見交換・情報共有を実施する。また、③過去の収集資料(研究書、民話、絵本、漫画、図録を含む印刷された書籍、雑誌や手書きの書付文書、手稿など)のデジタル化を行う。①②③により、研究者ネットワークの維持と研究環境の構築を進める。
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Causes of Carryover |
2020年3月に国内調査(国立国家図書館東京本館での資料収集)を予定し約60,000円を計上していたが、新型コロナのため実施できなかった。緊急事態宣言が解除され次第、この調査を実施する。
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