2020 Fiscal Year Research-status Report
How to maintain natural history heritage in local societies -seeking for maintenance procedure in multi actors partnership
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19K21658
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
佐久間 大輔 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 課長 (90291179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 繁久 北海道博物館, 研究部, 学芸部長 (20322654)
松崎 哲也 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (20771398)
石田 惣 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 主任学芸員 (50435880)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 自然史標本 / 市民科学者養成 / 地域インベントリー / 文化財科学 / 保存科学 / 自然史博物館 / 文化財防災 / 資料保存体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染症に配慮する必要があり、医療困難地域の多い北海道及び和歌山県下での調査は行うことが難しかった。わずかに三重県下での旧制中学からの伝統校での試料保持状況を視察できた。一方で、令和2年7月豪雨により、熊本県人吉市の前原寛次郎植物標本が被災し、より実践的な形での自然史標本レスキューに取り組む必要が生じ、本研究の課題としてその中でのレスキューマニュアルの追求と水損標本のダメージ・コントロール、全国的な体制の整備について熟慮する必要が生じた。 折しも、東日本大震災から10年となり、陸前高田市博物館所蔵標本を大阪市立自然史博物館にて展示する機会を得て、災害と自然史資料についての注目を喚起する機会を得たことから、これに合わせ、水損資料レスキューの基礎とでも言うべき文書資料のレスキューとのノウハウ交流を行うことができ、さらに文化遺産防災センターを含む文化財レスキュー関係者との議論を深めるためのシンポジウムを開催することができた。この議論の成果は、全国科学館協議会研究発表大会でまとめた議論を行うことができ、同資料集に執筆した。 前原標本については東日本大震災による津波被害と異なり、高温多湿期の淡水・泥による被害とあり、厳しいカビ害が生じたため、この原因菌などに関する調査を行い、その成果を共同研究者とともに報告した。このように一定の進展を見たが、地方博物館・資料館などに対するアクションの多くは、次年度の取り組みとせざるを得なくなった。3月末に四度急増する新型コロナ感染症により、計画通りの進展は難しい面もあるが、最大限オンライン対面調査なども駆使することにより、遅れを取り戻す努力を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大阪、及び北海道での緊急事態宣言など、新型コロナ感染症の進展に伴い、府県を越えた調査を著しく制限されたこと、同時に医療的困難を抱える地域への出張に配慮が必要であったことが主要因である。特に共同研究者の経費執行が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた、マニュアルの作成は次年度当初に試作版の作成を進めたい。オンライン対面調査なども駆使することにより、調査を進めたいと考えているが、資料調査はそれだけでは難しく、必要な場合には研究期間の延長も視野に入れたスケジュール調整を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度新型コロナ感染症のまんえんにより、現地調査が殆どできなかったことが次年度使用額が大きく膨らんだ要因である。2021年度に後ろ倒しでの実施、および研究計画を1年延長して実施の予定である。
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Research Products
(5 results)