2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K21665
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松多 信尚 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40578697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣内 大助 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50424916)
杉戸 信彦 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (50437076)
佐藤 善輝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (60751071)
石山 達也 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90356452)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 糸魚川静岡構造線活断層系 / 神城断層 / 年稿調査 / 氷期 / 断層活動間隔 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の遂行には、年稿がある場所であること、地震のイベントが読めることが、必須条件である。2019年度は既存の調査結果の詳細な検討や、予察的な調査を行い、調査地点、および調査手法の検討を行った。その結果、調査地点は4か所を検討し、3か所に絞られた。第一地点は奥村ほか(1998)、今泉ほか(1996)の調査地点である。この地点は松多ほか(2001)によるボーリング調査ですでに年稿が確認できており、その後丹羽ほか(2018)など年代結果が多数あることから、それらも参考にできることが利点である。ただ、この地点は支流性の礫層が多く挟まれるため、年稿が連続的にならない課題がある。第二地点は下川ほか(1987)の調査地点である。この地点の報告は学会の予稿集しかなかったため、著者等と連絡を取り当時の資料を開示していただいた。その結果、この地点でも年稿と思われる記載がみられ候補地として有力なことが分かった。ただ湖の深度が深い可能性があり、地震イベントを読み取れない可能性があることが課題である。第三の地点は盆地中央部である。この地点は掘削地点が適当であれば湖の湖畔に位置し地震による環境変化が大きいと思われる。特に湖畔の泥炭層が発達している場合など、年代試料も豊富に得られる可能性がある。ただ年稿の形成が酸素不足による生物の不活発であるとすれば、湖の深度が浅いために年稿がない可能性がある。近辺で調査をした産総研の近藤さんの掘削結果を聞けばその可能性が高いことが確認された。第四地点はクロスカントリー会場へとつながる谷の出口である。この地点は当初最有力地点であったが、産総研の調査結果をうかがうと、礫層がみられることと、断層が低角になっており、断層の位置を特定しにくいことが判明し、候補地から除外した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末よりコロナの影響が出始め、県外への移動などの自粛が求められ、現地での土地交渉並びに別機関の調査結果の観察などが不可能であった。そのため、当初は田植え前の5月に予定していた掘削が出来ず、秋以降に模索することになっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上半期に松多ほか(2001)のコアの花粉及び珪藻の分析を行い、掘削候補地1の可能性を模索する予定である。その後、調査地点を確定し、稲刈り以降降雪までの間に掘削を試み、場合によっては来年度5月への調査時期の変更も模索する予定である。また、微動アレイのグループともコンタクトを取り、浅層部の埋没扇状地の分布などを明らかにすることで、調査地点の決定に利用する計画である。
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Causes of Carryover |
調査に関する土地交渉として使用する予定だったが、コロナウィルスによる国内移動が制限されたため、次年度に使用が持ち越されたため。
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