2021 Fiscal Year Research-status Report
The Extension of Video Ethnography and Digital Archives in the Slums of Kenya by Using Media Art Method
Project/Area Number |
19K21670
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
野口 靖 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (50287869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
井本 佐保里 日本大学, 理工学部, 助教 (40514609)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 社会人類学 / デジタルアーカイブ / メディアアート / ライフヒストリー / ケニア / ナイロビ / スラム |
Outline of Annual Research Achievements |
【スラムの居住環境を記述するデジタル映像アーカイブ】: キベラ、ムクル、カンゲミ、カワンガレ、マザレで居住空間や街路での全天球パノラマ映像の撮影を行う予定だったが、新型コロナウィルス感染症対策の影響で、実質的にケニアへの渡航が不可能だったため、ナイロビのスラムでの調査や作業は断念し、日本において可能なデジタルマップ作成を進めた。 webアプリケーションの時空間マップソフトウェアは、D3.js + MapBox GL JSを利用して開発を進めている。現時点で、OpenStreetMapを一階層分表示することはできたが、二階層目を表示すると極端に表示速度が落ちるので、なんらかの技術的の工夫を行う必要がある。また、Matterportのシステムを利用したVR向けのコンテンツのテスト作成をおこなった。品質的にはMatterport Pro2が理想的だったが、予算の都合上、汎用性の高いInsta360 ONE X2及びRicoh Theta Z1を利用しておこなった。画質は十分鑑賞に耐えられるものだったが、暗い部屋での撮影時に画像にノイズが入るのが若干問題があり、低価格帯のパノラマカメラの限界はあると言える。特にスラムでの撮影は暗い部屋で行うことが多いので、他のプラットフォームもテストする必要がある。 【スラム住民のライフ・ヒストリーの民族誌映像】: アートの視点によるスラム住民の個々のライフ・ヒストリーに焦点を絞ったインタビューを行う予定だったが、ケニアへの渡航が不可能だったため、現地に行けていないので作業は止まっている状態である。 【メディアアート展示としての研究成果公開】: VR、デジタルマップ、Webなどの複合メディアを利用した空間展示を行う予定だが、現状は上記の2点の実施項目が遅れているため、準備が遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【スラムの居住環境を記述するデジタル映像アーカイブ】: 2020年度に引き続き、新型コロナウィルスの影響で渡航が制限されていたのと、ケニアに関しては感染症対策が万全ではないことが予想されたため、ケニア渡航を断念した。ケニアに渡航できた場合は居住環境を記述するデジタル映像アーカイブのために、ナイロビのスラムの室内空間を撮影する予定だったが不可能だったので、2021年度は日本でできる作業として、時空間マップのwebコンテンツ化と、VR用のコンテンツのテストを行なった。 【スラム住民のライフ・ヒストリーの民族誌映像】: こちらもスラム住民へのインタビュー映像撮影が必要なため、作業自体は2022年度に持ち越しとした。
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Strategy for Future Research Activity |
【スラムの居住環境を記述するデジタル映像アーカイブ】:2022年度の後半には渡航制限が解除されている可能性が高いので、キベラ、ムクル、カンゲミ、カワンガレ、マザレでMatterportもしくは360度カメラを用いて、居住空間の3Dスキャニングを行う。そして、最終的にはWeb上のコンテンツを作成する。 【スラム住民のライフ・ヒストリーの民族誌映像】: 現地のコーディネータとは連絡が取れているので、事前にインタビュー対象者を選んでもらい、なるべく短期間で大勢の方にインタビューを行う予定である。 【メディアアート展示としての研究成果公開】: 勤務している大学のギャラリーを使用して、研究成果展示を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響で2021年度はケニアへの渡航ができなかったため、旅費の使用がなかった。日本でできる作業自体はソフトウェア開発が主だったので、経費がほとんどかからなかった。2022年度は後半にはケニアへの渡航が可能になると想定し、ケニアへの渡航費と展示準備に使用する予定である。
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