2020 Fiscal Year Research-status Report
Research on sustainability through the lenses of the business formation process of social entrepreneurship
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19K21708
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下田 恭美 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授(任期付) (30746483)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 社会起業 / 持続可能な社会 / ソーシャルビジネス / 国際開発 / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
国境を越えて活動するアジアの社会起業(家)に係る社会的・経済的・文化的背景の考察を通して事業の継続性との関係の一端を明らかにすることを目指す本研究では、質的調査手法(文献レビュー、観察、インタビュー)により研究を行っている。2020年度は、新型コロナウィルスの影響により国外のみならず国内でも移動等が制限されたこともあり、主に文献レビューおよびインターネットによる情報収集に活動の重点を置かざるを得ない状況であった。 文献レビューは、昨年度に引き続き、政府報告書、調査報告書、学術書、学術雑誌を中心に日本語・英語文献を収集およびレビューを行った。社会起業/家のホームページやブログ、新聞や雑誌の関連記事等による情報・データ収集も継続して実施した。 社会的企業や社会起業家に関連するオンラインによるセミナーやワークショップにも積極的に参加し、情報・データ収集を行った。オンライン開催ということで、対面による開催で期待していた人的ネットワークの構築は難しくなったが、行動が制限される中で、少なくとも起業家や支援者(チャット参加)などの話などからデータ収集をすることができた。 インタビュー調査については、Zoomによるインタビューを実施した。予定していたネットワークの機会が失われたこともあり、実際にインタビュー実施までにこぎつけられたのは1社にとどまったが、文献調査やウェブサイト上では得られない詳細な経験および見方について新たに貴重なデータを収集することができたことは重要だと考えている。また、当該インタビューを通じ、オンラインによるインタビュー調査の可能性と限界について経験できたことは、コロナ禍が続く中で、今後の調査に大いに役立つと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルスが大きく影響している。国境を越えて活動する社会起業家およびその支援者/団体に焦点を当てた本研究では、移動制限等により予定していたインタビュー調査によるデータ収集が困難な状況が続いている。国外調査のみならず、国内調査によるデータ収集も難しい状況にあった。国内での対面によるインタビューの可能性を探っていたが、年度後半になっても状況が好転せず、既に面識があり研究への協力を取り付けていた1社に対してオンラインによるインタビューを実施するにとどまらざるを得なかった。 また、発表あるいは参加を考えていた国内外の学会が中止や延期となり、オンラインで開催された学会もあったものの、貴重な意見・情報交換の場や助言を得る機会は限られたものとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの影響によりデータ収集等に大幅な遅れが生じており、今後も国内外での調査にかなり制約が生じる状況が継続することが予想される。様々な関連イベントがオンライン開催となっており、ネットワーク構築機会が減少している中で、どの程度対象となる社会起業家にアプローチできるか未知数な部分が多い。国内での対面による聞取り調査も困難な状況が続くであろう。しかし、可能な範囲でオンライン等による聞取り調査を行いデータを収集する予定である。 当初の計画では、国境を越えて活動する社会起業/家の活動現場での観察を通したデータ収集も予定していたが、特に海外の活動現場での観察等は困難が続くと思われる。感染状況を見ながら、国内での活動を観察できないか模索したいと考えている。代替として、オンラインで実施される社会的企業関連のイベントについてはこれまで通り可能な限り参加し、情報・データ収集を継続する予定である。 データ収集に大幅な遅れが生じていることもあり、計画していた学会での発表も再検討が必要であろう。しかし、研究に関しての意見・助言を得ることは研究を推進する上でも重要であり、オンライン等で開催される学会があれば積極的に応募して発表機会を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響により、昨年度に実施を予定していた国内外での調査が実施が困難となり次年度使用額が生じることとなった。2021年度は、国内外での感染状況を注意深く見ていく必要があるが、調査が可能になった場合には、そのための旅費および現地調査経費等に当てる予定である。また、学会参加、継続して行う文献調査に必要な書籍、データ分析に必要なテープ起こし等に係る経費にも充てる予定である。
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