2020 Fiscal Year Research-status Report
ICFに基づく情報把握共有システムの発達障害支援における実践検証と活用方法の検討
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19K21713
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安達 潤 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (70344538)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ICF(国際生活機能分類) / 発達障害 / 多領域連携・多職種連携 / 社会実装 / コアセット |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究実績は以下、2点である。 (1)ASD・ADHDコアセットを導入したICFシステムの試行評価:碧南市における就学前および学童の発達障害支援にコアセット導入ICFを活用し、その活用の効果を質問紙により検証した。その結果、ICFシステムにより把握できる情報はフル項目版と同等である一方、活用の労力は低下したことが示された。 (2)コアセット導入ICFシステムの実践試行:愛知県安城市に在所する若者対象の社会的自立支援のNPOにおいて、コアセット導入ICFを活用した。さらに、札幌市発達障害者支援センターによる児童発達支援事業所支援においてコアセット導入ICFシステムを活用した。コロナ状況もあり活用の進捗テンポが緩やかであるため、両試行についての活用の評価は令和3年度に進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画では、コアセット導入ICFを全国数カ所の発達障害支援事業所において実践活用してもらい、ICFシステム活用の効果を検証するとともに、ICFシステム活用マニュアル作成のための情報収集を行う予定であったが、コロナ感染状況拡大のため、限られた地域での活用に留まっており、当初予定していた事業所数には届いていない。加えて、支援プロセス自体も遅れ気味のためにICFシステムの活用も遅れている。以上の状況により、進捗状況が遅れる結果となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の当初計画は、2020年度のICFシステム実践試行によって得られた使用評価に基づいて、活用上の課題およびより効率的・効果的な活用方法を検討し、インターネット空間における情報共有と支援連携を実現するためのシステム開発につなげる予定であった。しかし、コロナ感染状況が上下変動しつつ拡大することにより、研究進捗が遅れている。そのため2021年度はワクチン接種によるコロナ感染状況の消退を期待しつつ、2020年度に予定していた計画内容をまずは実施していく予定である。またクラウドシステム化については、当初、一体的に行う予定を変更し、部分的に可能な範囲でのシステム構築を進めていく。本来2021年度に計画していた内容については、実践試行の実施状況とそこで得られた使用評価を考慮しつつ実施を検討していくが、コロナ感染状況によっては、研究期間の延長を余儀なくされる可能性も視野に入れておく必要があると考えている
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Causes of Carryover |
コロナ感染状況拡大のため、限られた地域でのICFシステム活用に留まっており、当初予定していた事業所数には届いておらず、出張旅費が使用できなかったことに加え、実践活用データに基づくシステムのクラウド化に着手できなかったことが理由である。 2021年度はワクチン接種によるコロナ感染状況の消退を期待しつつ、2020年度に予定していた計画内容をまずは実施していく計画である。またクラウドシステム化については、当初、一体的に行う予定を変更し、部分的に可能な範囲でのシステム構築を進めていく。
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