2022 Fiscal Year Research-status Report
ICFに基づく情報把握共有システムの発達障害支援における実践検証と活用方法の検討
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19K21713
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安達 潤 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (70344538)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | ICF(国際生活機能分類) / 発達障害 / 多領域連携・多職種連携 / 社会実装 / ICFコアセット / クラウドシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の実績の中心となるのは、既にICFシステムを活用したことのある支援者へのオンラインインタビューによる意見聴取に基づいて、コアセット導入版ICF情報把握・共有システムのクラウド構築に向けた内容検討を行ったことである。クラウドシステムの機能要件としては、システム全体に関わっては、1)ログイン機能(IDおよびパスワード)、2)新規ユーザーか登録済みユーザーかの判断、3)新規対象児者の基本情報登録、4)既データ入力児者のデータ読みだし、5)データ入力を行う情報把握シート(医学的診断、健康関連情報、活動と参加、環境因子、支援対象者情報)の選択、6)各情報把握シートのデータ入力と保存(手動保存およびデータ入力完了時の自動保存)、7)5つの情報把握シートの入力データ(回答結果)を反映した情報共有フォーマット作成・表示・印刷である。 また、「活動と参加シート」「環境因子シート」の入力に係る機能としては、8)見出し一覧の表示と見出し選択、9)選択された見出し下の項目表示およびデータ入力、10)直近入力項目(5項目)の適宜確認、11)既入力の全項目確認、12)入力データ(回答結果)の分析(回答パターンによる5つのカテゴリー分類)、13)入力データ分析結果の出力(エクセル,pdf,プリンター出力)、14)支援会議資料作成アシスト機能(注:この点は今後の打合せが必要)とした。加えて、既存のエクセル版情報把握シートとの連動性を担保するために、15)エクセル版情報把握シートの読み込み(クラウド版へのデータインポート)を整備する形とした。また、2021年度に実施したICF項目の有用性評価結果を入力項目の表示順に活かせる形を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現時点で未実施の研究計画内容は、全国数か所の発達支援事業所でのICFシステム試用であるが、コロナ禍の遷延により、その点が実現できていない。本来の研究計画では、クラウドシステム構築後に、その運用方法を検討する予定であるため、先に述べたように、オンラインインタビューを通じて、クラウドシステムの内容を検討した。結果として、令和5年度にシステムを運用方法の検討が可能なレベルで構築し、その後にクラウドシステムの試用、運用方法の検討の順序となる。以上のように、最終年度に、2年度間分の作業が入ってくるという形での遅れとなっている。そのため、事業所数の調整や、事業所リクルートの方法を変更する必要も生じてくると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
先に述べたように最終年度である令和5年度に2年度間分の作業が入り込んだため、予定していた計画手順に若干の変更が生じるが、クラウドシステムについては、今年度内の試用・運用を必須とし、以下の計画を予定している。 クラウドシステムは6月頃までには構築し、その経過と同時に、クラウドシステムを試用する事業所をリクルートし、順次、試用を開始、各事業所の試用後に試用感および運用方法についての意見聴取を行う。その後、システムの運用方法の検討を行い、システム運用方法を定めていく形を考えている。事業所のリクルートとしては、本科研に並行して携わっている、愛知県碧南市の発達支援モデル事業を通じたリクルート、強度行動障害厚労科研をつうじたリクルート、旭川あるいは札幌市内の事業所へのリクルートを予定している。マニュアルについては、令和4年度はクラウドのシステム内容を先行して検討したため、これを実際化していく経過の中で暫定版を作成し、その後、事業所からの情報収集を通じて改訂していくこととしている。
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Causes of Carryover |
計画予定では、2022年度にクラウドシステムを構築することで進めてきたが、コロナ禍の遷延のために、計画全体が遅延し、クラウドシステムの構築が、令和5年度の作業となったため。
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