2024 Fiscal Year Annual Research Report
民族誌データと数理モデルの融合による社会構造変動理論の構築:格差に着目して
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19K21715
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀧川 裕貴 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60456340)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛塚 和宏 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (00805244)
藤岡 悠一郎 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (10756159)
田村 光平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 准教授 (60725274)
柿沼 薫 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20773401)
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| Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2025-03-31
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| Keywords | 不平等 / 災害 / 極端な気象現象 / 格差 / モンゴル / ゲーム理論 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、人間社会における多様性と格差の発生要因・過程を長期的スケールで説明可能なモデルを構築することを目的とした。初年度は、モンゴルのフィールドデータを分析し、自然災害(雪害)が家畜所有格差を拡大させることを実証的に示した。2020年度は新型コロナウイルス流行により現地調査が延期となったが、モンゴルの家畜頭数データを分析し、災害後にジニ係数が増大することを確認した。さらに、不平等発生メカニズムに関する数理モデルの検討を進めた。2021年度も現地調査は実施できなかったが、家畜数の少ない世帯間で格差拡大が顕著であること、また回復困難な傾向があることを明らかにした。アリー効果に着目した数理モデルも提案し、分析を進めた。2022年度には、災害後の家畜回復差の要因を探る半構造化インタビュー調査を現地委託で実施し、質的データの収集も行った。2023年には、モンゴルの長期家畜パネルデータを用い、雪害後に経済格差が顕著に拡大したことを定量的に示した。格差拡大は特に小規模家畜保有世帯で大きく、災害時の損失率が回復可能性を左右することを明らかにした。最終年度の2024年度には、実証研究の結果を説明する理論構築を目指して、数理モデルの構築を進めた。本研究は、極端気象と社会格差の関係解明に貢献し、今後の政策立案に資する基礎的知見を提供するものである。
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