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2019 Fiscal Year Research-status Report

聴覚障害者のための自宅用コミュニケーション支援ツールの開発研究

Research Project

Project/Area Number 19K21717
Research InstitutionTsukuba University of Technology

Principal Investigator

井上 征矢  筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (80389717)

Project Period (FY) 2019-06-28 – 2021-03-31
Keywords聴覚障害 / コミュニケーション
Outline of Annual Research Achievements

令和元年度は、聴覚障害者41名を対象に携帯型コミュニケーション支援ツールが求められる場面や応答内容を把握する調査を行った。その結果、健聴者との応答で困ることが「よくある」と「たまにある」を合わせた回答が過半数を超えた場面は、選択が多い順に各種店舗スタッフとの応答、自宅訪問者との応答、公共施設スタッフとの応答であり、公共施設に限らず、自宅やその周辺での情報保障の必要性も示された。体調不良や災害等の緊急時については、そのような事態の経験がない者を除くと4割未満であったが、回答者の多くが寄宿舎在住や保護者と同居であったことから、聴覚障害者のみで生活する場合には増加すると考えられる。
全般に、マスクのために口形が読めない場合や周囲が騒々しい場合、インターホンや病院の検査時等のように対面できない場合等に応答が難しいこと、また相手や周囲が急いでいる場面では、早口になったり、筆談を嫌がられることがあって応答が難しい場合があること、それらの結果、相手に怪訝に思われたりイライラされることや、分からないまま頷いてしまうこともあること、などの記述もみられた。最も困る場面が多い各種店舗スタッフとの応答では、商品説明や会計の際の応答等が例として挙げられていた。またコミュニケーション支援ツールが求められる場面としては、正確性が求められる、専門用語が多い、急いでいる時、などの場面が挙げられた。
健聴者との応答方法はいずれの場面でも「口頭と筆談の併用」、「口話のみ」、「身振り手振り」なと、時間がかかる応答や不確実な応答が多く、また相手が用意したコミュニケーション支援具の使用は、就職活動時以外ではいずれの場面でも10%未満であり、自ら携帯することの有効性が確認された。
現在はこれらのことを参考に、iPad等のタブレット端末用に試作した携帯型コミュニケーション支援ツールの応答場面や応答内容の追加、改良を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和元年度は、採択時の実施計画に記述した通り、聴覚障害者のための携帯型コミュニケーション支援ツールの有用性や、支援が必要なコミュニケーション場面を把握する調査を行い、コミュニケーション支援ツール内で使用する応答画面のUIデザインを始めることができたため。

Strategy for Future Research Activity

令和2年度は、これまでの調査結果をもとに、iPad等のタブレット端末で使用できるコミュニケーション支援ツールの開発を継続する。そしてその分かりやすさや操作性等に関する聴覚障害者による評価を行い、それらの結果をもとに改良を重ねる。

Causes of Carryover

(理由)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、年度末に検討していた出張をとりやめたこと、聴覚障害者のための携帯型コミュニケーション支援ツールの有用性や支援が必要な応答場面を把握する調査において、入力作業等の雑務にアルバイトを使用できず、自ら対応したこと、などのため。
(使用計画)
令和元年度未使用分は令和2年度分に合算し、携帯型コミュニケーション支援ツールのUIデザインに用いるソフトのライセンス料(年度更新)や、ツールの操作性等の評価に用いる端末の整備費、調査協力者への謝金、研究成果の発表に要する旅費や発表費用等に使用する予定である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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