2020 Fiscal Year Research-status Report
Constructing ethno-medialogy: Interdisciplinary investigations of correlations and transformations of narrative, embodiment and imagery
Project/Area Number |
19K21718
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山崎 敬一 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80191261)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 佳子 関西大学, 国際部, 教授 (90447847)
小林 貴訓 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20466692)
山崎 晶子 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (00325896)
辻 絵理子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40727781)
佐藤 雅浩 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (50708328)
一ノ瀬 俊也 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80311132)
是永 論 立教大学, 社会学部, 教授 (50275468)
小川 豊武 昭和女子大学, 人間社会学部, 講師 (80796079)
中西 英之 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (70335206)
小林 亜子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (90225491)
久野 義徳 埼玉大学, 理工学研究科, 名誉教授 (10252595)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | エスノメソドロジー / ヒューマンロボットインタラクション / 相互行為分析 / 会話分析 / パンデミックと科学技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「語り・イメージ・身体の関係やそのメディアの変容との関係を研究する歴史学者・社会学者」と「メディアテクノロジーやロボットと人間の相互行為との関係に関心をもつ情報工学研究者」の共同研究である。 (1)ロボットと人間の相互行為に関しては、京都の店舗において接客ロボットの実験を行い、人間の店員に対する行動とロボットに対する行動の比較を行った。その結果、ロボットの身体行動が人間の相互行為に対して持つ有効性を確認できた。ただし、ロボットの行動が人間に対してうまくなされなかった場合でも、ロボットの「無視」や「悪意」とはみなされず、逆にロボットをただの物体として扱うことがわかった。 (2)パンデミック時代における語りとメディアと科学技術の関係について国際シンポジウム「パンデミック時代における科学技術と想像力」(2021年3月27日、2021年3月28日)を行い、第一日目は、SF作家の長谷敏司氏、作家の一田和樹氏、経済学者の井上智洋駒澤大学准教授、金井郁埼玉大学教授、第二日目は、沼野充義名古屋外国語大学副学長・東京大学名誉教授、作家・翻訳家の立原透耶氏、安西祐一郎日本学術振興会顧問・元中央教育審議会会長、暦本純一東京大学教授、村上祐子立教大学教授の諸氏を招聘し、議論を行った。 第一日目の議論では、パンデミック時代においてインターネット技術や人工知能(AI)等の情報技術がもたらす社会的分断の問題やその解決策について議論を行った。第二日目の議論では、新しい科学技術や想像力のもたらす未来の可能性について議論を行った。 本研究のテーマである、情報テクノロジーと人間の相互行為の関係や、新しい情報メディアのもたらす社会的影響について有効な示唆を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パンデミックの影響で、2020年7月までは大学の入校規制により研究の進行が滞った。しかし緊急事態宣言が解除された10月以降は、京都等でロボット実験等を行うことができた。 2021年1月からは再度緊急事態宣言が発令されたが、国際シンポジウムをオンラインで実施することができた。その結果、人間とロボットの相互行為についての示唆や、インターネット技術やAI技術がもたらす人間の相互行為の影響について示唆を得ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)ロボットやインターネットを使った人間の相互行為の実験を実施する。具体的にはロボットを使った買い物実験を実施する。また、インターネットを通した遠隔での買い物実験や、ガイド実験を実施する。 (2)社会学者、歴史学者、工学者とともに「語り・イメージ・身体の関係やそのメディアの変容との関係」や「メディアテクノロジーやロボットと人間の相互行為との関係」について複数回のワークショップを開催する。具体的には、日本におけるテレビ放送黎明期の、テレビへの批判的なイメージについての分析等を行う。 (3)海外ではオンラインベースでロボットと人間の相互行為について国際シンポジウムで発表を行う。具体的には、2021年10月にデンマークで開催される国際会議「マルチモーダル・デイ」で発表を行う。また、イギリスで出版される『Companion to Garfinkel』に、ロボットと人間の相互行為について論文を発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
パンデミックにおける緊急事態宣言の影響から、オンラインでのシンポジウムを実施したため、国内旅費について当初の使用予定額より使用額が少なくなった。2021年度は、オンラインだけでなく、現地での実験や会議を実施し、国内旅費等を使用する予定である。
|