2020 Fiscal Year Research-status Report
Quantitative approach to aesthetic labor and social stratification
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19K21721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太郎丸 博 京都大学, 文学研究科, 教授 (60273570)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 社会階層 / ハビトゥス / 文化資本 / 階級 / 自己提示 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年1-12月に就職面接を受けた女性9人、男性12人に面接時の服装を簡易質問紙でたずねた(3/9-12実施)。そのうち3人の学生に1時間インタビューし、詳しい話を聞いた。まず21人中19人が黒い服を着て面接を受け、髪の色も19人が黒だった。就職活動のために髪を茶色にした者も1名いたが、14名(67%)の学生は髪の色を変えておらず(うち1名だけ黒以外の髪)、残り6名(29%)は就活のために地毛の色にもどした。1,2名を除く全員が、話し方、表情、言葉づかいに気をつけていたが、視線に気をつけていたのは76%,、姿勢は67%、お辞儀は43%であった。姿勢やお辞儀はオンライン面接が多いと気をつけていない傾向があった。 1時間インタビューで印象的なポイントは以下の通り。1 全員が家族、友人の意見を参考にして就活時の服装や髪型を決めていたが、ウェッブやSNSを参考にしたのは二人だけ、セミナーをあげたのは1名、書籍は0で、親しい人からの影響が大きかった。2 会社説明会では私服での参加を求められることが多く (5/6)、服装から学生のライフスタイルなどを知ろうとする企業の意図が垣間見られた。3 全員が就活後には自他の身だしなみや立ち居振る舞い、挨拶などのいずれかが以前より気になるようになったと述べており、就職活動が規律化の装置として機能している印象を受けた。 以下が反省点。基礎的情報として面接を受けた会社の数をたずねたが、選択肢の最大を「6社以上」としたが、21人中16人は6社以上は面接を受けていたので、最低でも10社以上ぐらいまでは選択肢を作る必要があることがわかった。髪型は選択肢を「ショートヘア」などとしたが、女性用の分類なので、男性は答えにくかったようである。「耳にかかる」「額がほぼ隠れる」といったもっと具体的な選択肢を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大で、リモート面接などが普及し、服装の重要性が低下したため、当初計画の変更を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、質問紙調査を実施する。予備調査が遅れ気味なので、これもあわせて8月までに実施する。それ以外は当初計画をやや圧縮してすすめる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大により、調査を2021年度に延期したため。2021年度に特任研究員を雇用し、延期した調査を実施することで研究の遅れを取り戻す予定である。
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Research Products
(3 results)