2021 Fiscal Year Research-status Report
What encourages volunteer participation? Causal inference based on field experiments
Project/Area Number |
19K21723
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
青木 理奈 愛媛大学, 法文学部, 助手 (50838638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 秀樹 愛媛大学, 法文学部, 教授 (00304642)
小佐井 良太 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20432841)
石坂 晋哉 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (20525068)
胡 光 愛媛大学, 法文学部, 教授 (50612644)
鈴木 静 愛媛大学, 法文学部, 教授 (80335885)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | コロナ禍 / 学生生活 / ボランティア / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に引き続き、ボランティア活動の基盤となる生活全体が激変した状態であることから、コロナ禍の学生同士の生活や精神的な支え合い活動に着目して、ボランティア活動の新たな展開の現状を調査し、その成果の一部を公表した。あわせて、国際および国内の資料収集、コロナ禍における教育上の変化を把握することに尽力した。 その上での2021年度の主たる研究実績は、以下の通りである。 大きな成果は、コロナ禍が開始された2020年度に大学生の生活上の変化について調査をした結果について、大学紀要へ成果の一部を公表できたことである。 具体的には、第一に国内のコロナ禍の現状(主に愛媛大学)をまとめるために、愛媛大学法文学部の学生を対象に「コロナ禍の学生生活」についてアンケート調査を実施し、231人の有効回答を回収することができた。これらの結果は、紀要として公表した。また、質的な検討を行うために大学生を対象に手記を集めた。アンケートおよび手記の分析は現在行っており、2022年度に公表予定である。さらに、コロナ禍の継続的影響を把握するために、学生10名を対象に座談会を行った。座談会で把握した変化については、分析を経たうえで、2022年度中に公表予定である。 第二に、授業形態や人間関係の持ち方で、学生らの精神的な支え合いがどのように変化するのかを把握するために、スタンフォード大学の学生が認識するコロナ禍での人間関係の持ち方や学生同士のささえあいなどをテーマとして座談会および交流会を開催した。日米で共通することを確認し違いについて分析している最中であり、2022年度には公表予定である。 第三に、本研究の主な方法はフィールド実験であるが、そのデータにも偏りは発生しうる。そこで、そのような場合に活用しうる共変量バランス改善手法の因果効果推定バイアス補正の有効性も検証し、学会誌に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ボランティア募集フィールド実験は、当初の想定通りに進めることができなかった。長引くコロナ禍は、学生のボランティア活動の基盤である大学生活を一変させた。この影響は甚大であることから、昨年度よりコロナ禍における学修・生活基盤の激変が、学生の学修や行動にどのような影響を与えているかをアンケート、手記、オンライン座談会などを実施しその分析を行った。この新たな課題を加え、本研究プロジェクトは研究調査活動を続けたが、学生ボランティア活動の停止状況が続く中では、各種実験調査やボランティア募集実験を実施することはできなかった。 代わりに、「5.研究実績の概要」にも記したように、共変量バランス改善手法による因果効果推定バイアス補正の有効性の検証を、モンテカルロ・シミュレーション実験により行った。シミュレーション実験からは、未測定交絡因子等が存在する可能性が残る偏ったデータを用いざるをえない分析では、単純なOLS推定よりも各種マッチングや重み付けを行った上での推定の方が、共変量バランスの程度にかかわらず推定値バイアスをより安定的に改善しうる、という逆説的な示唆が得られた。但し残念なことに、共変量バランスの改善をどの程度まで図れば推定値バイアスを最小化できるかについては明確な指針を得ることはできなかった。今後、一層の検証が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の収束状況について、不透明な状況が今後も長期にわたり続く可能性が否定できない。 2021年度は、コロナウイルス感染がおさまり学生によるボランティア活動再開が可能になった時期に備えて、「ボランティア登録サイトへの登録募集実験」を行う予定だったが、多くの大学が遠隔授業の中、活動自粛が推奨される中で、あまりにも先が読めない状況において現実的ではなくなった。よって、2022年度はさらなる実験の修正を図る。 具体的には、実際の活動を前提とした学生ボランティア募集の実験ではなく、コンジョイント実験または無作為化要因配置実験によってボランティア行動の規定要因を明らかにする手法に切り替えて実施していくこととする。 また2021年度に行ったシミュレーション実験からは、マッチング・重み付け手法にかかわらず、共変量バランス改善から得られる因果効果推定値バイアスの改善はおおむね微々たるものにとどまるという結果が得られた。むしろ、いずれの重み付け・マッチング手法においても、共変量バランスの徹底的な改善は、因果効果の推定値バイアスの抑制という観点からは逆効果となることが少なくなかった。この逆説的現象が一般的な現象であるかどうかについても、一層の検証が必要である。そこで、2022年度も引き続き異なる設定や異なるバイアス補正手法用いたシミュレーション実験による検証を継続する。 さらに、長引くコロナ禍における学修・生活基盤の激変が、学生の学修や行動にどのような影響を与えているかにつき、2021年度に続きアンケート、手記、オンライン座談会なども引く続き実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響により、出張、フィールド実験調査を行えず、予定通り執行できなかった。今後も当初予定している通りのフィールド実験の目途が立たないため、別の形で実験をし、協力者への謝金としても執行したいと思っている。
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Research Products
(35 results)
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[Book] 文学通信2022
Author(s)
胡光ほか
Total Pages
247
Publisher
地域歴史文化継承ガイドブック
ISBN
9784909658722
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