2022 Fiscal Year Research-status Report
車両用座席シートの審美的快適性の研究―白色化防止座席シート開発への提言―
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19K21728
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
平井 郁子 大妻女子大学, キャリア教育センター, 教授 (30389895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 裕 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (00231689)
辻 幸恵 神戸学院大学, 経営学部, 教授 (40309050)
松梨 久仁子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20184244)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 車両用座席シート / 白色化 / パイル織物 / 審美的快適性 |
Outline of Annual Research Achievements |
車両用座席シートの白色化が生じるメカニズムの解明と白色化を防止することで、座席シートの審美的快適性を求めることを目的とし、次のような活動を行った。 2022年は、これまでコロナ禍でできなかった座席シートの製作工程等の調査・見学を主に行った。まず、座席シートの表面布であるパイル織物の製作工程を調査するため、和歌山県高野口のパイル織物工場を見学し調査を実施した。次に、座席シートの表面布であるパイル織物の品質検査工程を調査するため、大阪のパイル織物メーカーの品質管理部門を見学し調査を実施した。さらに、座席シートのパイル織物を用いて車両の座席シートを施工している工程を調査するため、京都の製造メーカーを見学し調査を実施した。 また、座席シートの使用状態を再現し、使用後の座席シートの表面状態を観察するため、座席シートのサンプルを用いて、摩擦実験を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年~2020年 アンケートに用いる座席シートの写真撮影を実施した。 2020年 JR東日本車両センターにて一部の列車の使用済み座席シートと、未使用の座席シートを比較するため座席シートの測色を変角測色計を用いて実施した。 2021年は学生に対するオンラインによるアンケートを実施した。 2022年は30歳~60歳代の社会人で良く電車に乗車する方たちを対象にアンケート用紙によるアンケートを実施した。 また、2022年はコロナ禍により今までできなかった座席シート製造工場の調査・見学を実施した。座席シートに用いられるパイル織物の製造工程、パイル織物の品質検査工程、パイル織物を車両用の座席シートに仕上げる工程の調査をするためにメーカーの工場の見学を実施した。さらに、いくつかのパイル織物のサンプルを入手し、表面摩擦の実験を実施した。2022年になり製造工程の調査・見学ができたが、コロナ禍に遅れた分をすべてこなすことはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年は、座席シートのサンプルを摩擦実験することにより座席シートの表面状態を電子顕微鏡で観察することと測色することにより白色化のメカニズムを解析する。 また、今まで撮りためておいた座席シートの写真を色彩分析することと座席シートの色の使い方などから、白色化が感じられない色使いを解明する。 さらに、素材の工夫も含めて快適な座席シートはどのようなものであるかをまとめる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍が明けたため、今までできなかった当初予定していた実験(電子顕微鏡による表面観察、座席シートの撮影した写真の測色)等を実施するための経費が必要である。 また、追加アンケートの実施、追加製造工場の見学、実際の車両に使用されている座席シートの実態調査などを実施するために経費が必要である。さらに追加実験などを予定しているため、その実験に生じる経費が必要である。
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