2023 Fiscal Year Annual Research Report
The Structural and Dynamic Effects on Social Networks of the School-to-Work Transition in the Era of Globalization
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19K21731
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
相澤 真一 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (00456196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 かおり 立教大学, 社会情報教育研究センター, 特定課題研究員 (30733787)
辻 竜平 近畿大学, 総合社会学部, 教授 (40323563)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 専門職 / 芸術家 / キャリア / ネットワーク / 文化資本 / 社会関係資本 / 音楽家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、グローバル社会のなかでサバイバルしようとする職業芸術家に焦点を当てて、彼らのネットワーク構築関係を定量的・定性的に分析するデータセットを作成することを当初の目的に据えていた。そして、本研究は、社会学でも世界的に新奇性が注目されているドイツやフィンランドの都市を調査地点に選択し、「ネットワーク分析だからこそ活きるデータ」を集め、新たな再帰的な変化を含めたネットワークデータの構築と分析を行うことを企図してきた。 この当初計画に対して、データの収集ならびに分析を進めているうちに明らかになってきたことは、専門職のキャリア形成のネットワーク分析としての可能性について2020年度、21年度に発表を行ってきた一方で、文化資本、社会関係資本の概念を統合させる形でより解像度高く読み解ける可能性も見えてきた。前者、後者の分析可能性を統合する形で2020年に『音楽で生きる方法』を出版し、音楽家という実践家との作業自体がアクションリサーチとも見ることのできるネットワーク研究としても、文化資本、社会関係資本の形成過程とも見ることのできる著作を出版することができたのは、本プロジェクトの大きな成果である。 本書籍出版直前からのコロナ禍での非常に難しい状況のなかで、データの収集、分析、体系化にかなり苦労してきたものの、2020年、21年度にはオンラインで、2022年度には海外現地での査読付きでの学会発表を行い、国際発信可能な学術的水準の高い分析を産み出すことについての一定程度の到達点は築くことができた。 本年度は最終年度として、本プロジェクトに区切りをつけるべく、追加的あるいは将来的な調査の可能性を検討しながら、その困難も確認し、基本的には収束させる方向での活動を行った。特に文化資本についての分析を本プロジェクトでの成果を踏まえて行い、ここに一定の成果を見たことで本プロジェクトの区切りとした。
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