2019 Fiscal Year Research-status Report
AIと共創する創作活動から学ぶ著作権教育プログラムの構築と評価
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19K21736
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | AI / 著作権 / 共創 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,コンピュータによる創作支援ツールを用いた著作物の創作活動を通し,高度情報社会における著作権のあり方を文化の発展の見地から総合的に考察することのできる人材育成を目的とする。本目的を達成するために,①許諾された原著作物を用いた二次的著作物の創作環境の構築,②コンピュータ創作支援ツールを用いた素材の組み合わせと分割のロジック構築,③創作活動実践における学習者の著作権に関わる理解レベルを評価確認する手法の構築,の3つの柱を立てて研究を進めることを計画した。 2019年度は,まず,「②コンピュータ創作支援ツールを用いた素材の組み合わせと分割のロジック構築」に焦点を当て,この基礎となるシステム構築の準備を進めた。具体的には,過去に行ってきた実践による二次的著作物に使われている素材とその構成要素を分類し集計する機能を構築した。どのような素材が各作品に使われているかを確認した上で,その結果を基に,素材の組み合わせと分割ロジックについて,特に古典的な一齣漫画である孤島漫画を最初の事例にすることを決めた。その上で,人工知能による学習データに基づいた分類を行うシステムを構築した。 その後,本試行システムにおける分析を行っている。学習者が創作した作品が,学習データに基づく適切な分類がなされるかを確認しているところである。なお,当該システムでは,学習者が創作した作品のライセンスを付与することができるようになっており,次の段階では,二次的著作物において,学習データに基づく作品の分類を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究計画により,②コンピュータ創作支援ツールを用いた素材の組み合わせと分割のロジック構築の試行を行う予定であり,実際に学習データに基づく分類を行うシステムを試行的に実装できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の学習者の二次的著作物を用いての作品の評価を学習データを用いて行うとともに,学習データ(教師データ)として用いることができる基礎データを収集していく予定である。2019年度は孤島漫画においてはモノクロのデータのみを活用していたが,2020年度はカラー化したデータも加え,色と素材による特徴抽出についても分析を進めていく。その上で,孤島漫画に加えられる素材(人,動物,モノ等)を厳選し,学習者の創作性に寄与する提示作品例を収集していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究動向の調査を3月に予定していたが,出張はすべて取りやめになったため,約15万円の繰越が発生した。残りの30万円については,試行システムにおける分析評価を行う予定であったが,現時点ではその前段階の結果を確認している状況であるため,2019年度中には実施しなかった。2020年度の分析と合わせて実施する予定である。
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