2021 Fiscal Year Annual Research Report
Factors influencing post-evacuation behaviors following a major earthquake
Project/Area Number |
19K21752
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小柴 佑介 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 技術専門職員 (60419273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 穣 横浜国立大学, 先端科学高等研究院, 特任教員(助教) (10804932)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 不安全行動 / 避難後行動 / 危機管理 / 防災教育 / 漫画教材 / 再入棟行動 / 火災爆発 / 中毒酸欠 |
Outline of Annual Research Achievements |
大地震直後は,危機管理体制が構築される前であるため,大学等の研究機関において一旦建物外に出た者が自己判断で再入棟行動 (PEB) を選好できてしまうフェーズである.しかしながら,火災,爆発,急性中毒などの事故災害を引き起こすフィジカルハザードが建物にある場合,たとえ建物自体が構造上健全であっても,PEB は不安全行動である.本年度はサブテーマを2つ設定した.サブテーマ1では,防護動機理論 (PMT) 等に基づいて,PEB に及ぼす心的要因を解明することを目的とした.サブテーマ2では,得られた知見を防災教育に実装するために,不安全な再入棟行動を防止するための漫画教材を開発することを目的とした. サブテーマ1の結果,PMT のフレームワークを用いて PEB 特性が説明可能であることを見いだした.また,学生よりも教職員の方が,実験室等の様子を確認する責任感が強く,実験室等を確認する行動を選好しやすいことが分かった. 理系の大学建物では,フィジカルハザードとして可燃性,支燃性,爆発性,毒性,窒息性の物質が用いられているため,主として火災,爆発,中毒,酸欠事故が起こり得る.そこでサブテーマ2では,漫画教材として「火災・爆発編」および「中毒・酸欠編」の漫画教材を制作した.恐怖アピールを勘案し,各漫画教材の前半部の流れは「大地震の発生および棟外への避難」→「不用意な再入棟行動」→「フィジカルハザードとの接触による死亡」とした.ただし,読者の心的負担の軽減および各漫画教材の後半部との接続性を勘案し,死亡後に夢落ちとするストーリーとした.その続きの後半部では,フィジカルハザードおよび再入棟行動を防止するためのポイントを提示する講義シーンとした. 本年度の研究で得られた知見は,PEB に係る防災教育に資するだけではなく,この分野の漫画教材に係る先駆的指針を提示できたと考えられる.
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Research Products
(6 results)