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2019 Fiscal Year Research-status Report

臨床的教育社会学アプローチによる学級経営ナラティヴ分析法の開発

Research Project

Project/Area Number 19K21776
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

白松 賢  愛媛大学, 教育学研究科, 教授 (10299331)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長谷川 祐介  大分大学, 教育学部, 准教授 (30469324)
Project Period (FY) 2019-06-28 – 2022-03-31
Keywords学級経営 / ナラティヴ / ナラティヴ理論 / 解釈実践 / 解釈資源 / 学級活動 / 質的調査 / ナラティヴ資本
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、学級経営ナラティヴ分析法を開発し、小学校のフィールドワークを通して、学級経営におけるナラティヴの役割と意義を明らかにすることを目的としている。具体的に本年は、第一にライフヒストリー、ナラティヴ・インクワイアリー、ドキュメント分析等を基盤とした学級経営ナラティヴ分析法の開発を行い,第二にデジタルエスノグラフィーのデータを中心とした学級経営の解釈(言語、物語、象徴等)資源の相互反映過程の試行的分析を実施した。特に,第一の学級経営ナラティヴ分析法の開発では,ナラティヴ資本概念と分析枠組みを提唱しているIvor, F Goodsonより,理論枠組みと考え方に関する報告に対して指導助言をいただき,特に,学級経営をナラティヴ理論で考える上で,学級の物語の構成過程に果たすナラティヴ資本とそのリフラクションを検討する重要性を示唆していただいた。また,その理論枠組みを用いて,フィールドワークとともに,試行的分析を行った成果を日本特別活動学会の研究大会で口頭報告を行ったほか,学術論文として成果を報告した。第二のフィールドワークでは,X県で2校,Y県で2校の学級を対象に,デジタルエスノグラフィーを実施し,朝の会,学級活動の時間,終わりの会を中心にデータを撮り貯め,トランスクリプトを実施した。先行的に一部のトランスクリプトを用いて分析を行った結果,調査者と被調査者の理論や実践に関する「透過性」を明らかにできること,自己省察的分析が自己啓発の再帰性や単なる実践報告に帰してしまう問題を回避し,構成され生成され続ける「実践知」の特性とプロセスに迫りえることなどを明らかにした。なお,学級経営観に関する日台比較調査については,台湾の研究者と研究打ち合わせを行い,アンケート項目のワーディングを実施した。令和2年度,調査予定で計画を立てていたがコロナウィルスの問題により,令和3年度に計画を調整した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題は,当初計画していた通りに研究が進展している。学級経営ナラティヴ分析法の理論と分析枠組みはほぼ構成することができ,学級も4学級において,予算配分後,各週1-2日間のフィールドワークのデータを撮り貯め,トランスクリプトおよび分析が実施できている。またナラティヴ分析法の理論や分析概念等は,ナラティヴ理論で著名なIvor, F Goodson氏に直接示唆を得ることで,ナラティヴ資本の概念を用いて,従来のドミナントストーリーとオルタナティヴストーリーとの単純対比を回避し,解釈資源を新たな視覚から分析することを可能とした。その結果,教師の語りを様々な角度から分析する上で,ライフヒストリーとナラティヴ資本の分析に関する調査の新たなフレームワークが構成できた。学会発表や学術論文において成果報告も行えており,1月時点までは計画以上に進展してきた。しかしながら,令和2年度に計画されていた日台比較調査については,2月以降の新型肺炎コロナウィルスの問題で,延期せざるを得なくなったことや学校の臨時休校措置により,調査ができなくなってしまっている。そのため,一部,計画通り進展しなかった部分もあるため,おおむね順調という判断をしている。

Strategy for Future Research Activity

本年度も,研究計画に従い,昨年度同様,小学校4学級において,フィールドワークのデータを撮り貯め,トランスクリプトおよび分析を実施する。今年度,学会の実施や出張による県外移動がどのようになるか流動的なため,調査報告のあり方は,基本的に,学術誌を中心として実施する。なお,本年実施予定であった,日台比較量的調査であるが,次年度に計画を変更し,ウェブを用いた調査の方法を検討する。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた,主な理由は,2ー3月に予定されていた台湾への渡航,日台比較調査のための研究打ち合わせ及び年度末の休校措置に伴う調査経費が,新型肺炎コロナウィルスの問題により生じたことによる。次年度以降の海外調査費,海外における研究成果報告のための翻訳・校正用経費,教師調査や学生調査に関するウェブ調査機器,ウェブ調査結果分析機器等に充当して,研究計画を遂行する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 質的調査法を用いた臨床的教育方法の探究 ー試行的実践としての学級経営フィールドワークー2019

    • Author(s)
      白松賢,古泉啓悟,岡田聖
    • Journal Title

      松山大学論集

      Volume: 31(4) Pages: 19-38

    • Open Access
  • [Presentation] 特別活動における教材研究の推進(1) -学級活動(2)「生活態度の形成」に着目して-2019

    • Author(s)
      白松 賢
    • Organizer
      日本特別活動学会第28回大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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