2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of media education for rabies prevention by integrating gamification and humanities and sociology
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19K21787
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小田 光康 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (10724130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
井上 智 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (90213157)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 少数言語 / 専門用語 / 言語コード |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は新型コロナ禍に加えて洪水被害のため、前年度に引き続きタイ北部チェンマイ県での現地での調査研究が不可能であった。ただし、オンライン上でのインタビュー調査など可能な部分の調査を進め、狂犬病予防のメディア教材開発に欠かせない言語環境について解明し、国内学会と国際学会で以下の発表をすることができた。 (国内学会発表)「タイ・ミャンマー国境地域での狂犬病啓蒙活動の言語的課題 専門用語・少数言語・言語コードを中心に」,小田光康,獣医疫学会 (国際学会発表)“Sustainable rabies Prevention and Regional Economic Development: Direct Coffee Trade in the mountain tribe Community in Chiang Mai Province, Thailand.” Mitsuyasu Oda, Collaboration Workshop and Conference on the Chiang Mai model for rabies control and humane dog management using one health approach, School of Medicine, Chiang Mai University, Thailand これらの調査研究からは多言語国家であるタイでは公用語のタイ語と、研究対象である山岳少数民族のラフ族が日常的に利用するラフ語は語族を異にするまったく異なる言語であり主語ー述語ー目的語の語順のタイ語に対して、ラフ語では主語ー目的語ー述語の順であった。これに加え、タイ語とラフ語では一部を除いて単語がまったく異なっていた。さらに狂犬病を含む感染症関連の専門用語はラフ語には存在しない用語が多数あることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は主にタイ北部チェンマイ県での言語環境と教育環境のフィールドワーク調査、及び地域介入研究をベースとしている。本研究開始当初から新型コロナ禍に陥り、海外渡航が禁止されたほか、国内でも対面での共同研究が困難になった。 2022年度は新型コロナ禍が若干収まった際に、研究対象であるタイ北部の山岳少数民族の村落を調査に訪問する計画であったが、大雨と洪水被害のため、現地にたどり着くことが出来なかった。前年度に引き続きタイ北部チェンマイ県での現地での調査研究が不可能であった。ただし、現地住民とオンライン上でのインタビュー調査は実施することができ、研究の一部を進めることが出来た。 調査対象の村落の新型コロナ禍の被害は甚大で、感染症被害だけでなく、現金収入が途切れて家族離散したり、極度の貧困に陥る世帯が続出してしまった。さらに、研究協力者である現地の教師が他の地域へ移動してしまい、調査研究対象を再構成する必要に迫られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はまず、調査対象の村落住民との信頼関係によって成り立つ。タイ国内で民族的な差別を受け、新型コロナ禍で貧困にあえぐ情況を改善する援助が重要である。このため、児童への文房具など学用品の寄付などのボランティア活動を通じて、調査研究再開の糸口を掴むことから始める。 次に、調査対象の村落のリーダーであり研究協力者と打ち合わせを実施して、調査研究の日程調整、調査対象となる児童の選定と協力依頼等、研究計画を再度立てる。一方で、これまで進めてきた調査研究対象の言語環境と教育環境の研究に追加を加えて、その結果を踏まえてメディア教材を早急に開発する。 この教材を持参して現地に向かい、教材の教育効果を測定するための地域介入研究を実施して、研究成果を出すことにしたい。。
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Causes of Carryover |
2019年度から2022年度は新型コロナ禍のため国内外での調査研究が困難であったため。
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Research Products
(3 results)