2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K21788
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
須藤 康介 明星大学, 教育学部, 准教授 (00744749)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 教育社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな教育問題の実態について、誤認している人はどれくらいおり、どのような人が誤認をしやすいのか、というリサーチクエスチョンに基づき、「教育についての意識・経験に関する調査」を進めた。2021年度は、2020年度に実施した調査データの分析および発表を行った。また、教員採用試験受験者1000名を対象とした追加調査「教員採用試験受験者の意識・経験に関する調査」を行い、今後その分析を進める予定である。 「少年犯罪増加認識の計量分析」(『駒澤社会学研究』第57号)では、実際には重大な少年犯罪は減少しているにもかかわらず、増加していると思っている人々が過半数であることを示した。女性や年長世代は増加していると思いやすく、大学院卒や無職層は思いづらかった。また、メディア接触がある人ほど増加していると思いやすく、中でもWebニュースの影響はニュース番組・新聞よりも大きかった。 「『高学歴者ほど仕事ができる』の実証的検討」(『明星大学研究紀要・教育学部』第12号)では、意識としては、多くの人が「高学歴者ほど仕事ができる」を否定していることを示した。一方、実態としては、高卒<専学卒<大卒と教育年数が増えるにつれて一般的職業能力が高くなる傾向は見いだされなかったが、難関大卒の一般的職業能力が高い傾向は見いだされた。 「教師の不祥事イメージと信頼の規定要因」(『東京未来大学研究紀要』第16号)では、中学時代に成績が悪かった人が「教師はわいせつが多い」「教師は犯罪率が高い」「教師は信頼できない」と思う傾向などが見いだされ、認知的不協和理論が当てはまることを示した。また、ドラマをよく見る人が「教師は体罰が多い」「教師は犯罪率が高い」と思う傾向などが見いだされ、培養理論が当てはまった。
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