2019 Fiscal Year Research-status Report
自動評価機能とゲーム展開機能をもつ小学生向け英語シャドーイング練習システムの開発
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19K21791
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山内 豊 創価大学, 教育学部, 教授 (30306245)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 小学生 / 英語 / シャドーイング / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、小学生向けのシャドーイング練習評価システムの構築に向けての事前調査を行った。小学校で実際に英語を教えている教育現場へ赴き、普段の授業や研究授業を観察したり、教員へインタビューを行ったりして、現在の小学生がどのように音声活動を行っているか、どのように評価を行っているか、いかなる課題があるかを調査した。その結果、appleやtennisをはじめ、カタカナとして日本語に存在している単語の発音は、どうしても日本人アクセントになってしまう児童が少なくないことが観察された。しかし、ネイティブ・スピーカーのALTのあとについて英語を繰り返すとき、日本人アクセントを感じない、英語らしい発音とリズムで発音できている児童もいることがわかった。このような現状の中、小学生向けに効果的にシャドーイングを取り入れていくための方策を、発達段階、言語習得などの面から検討した。外国語学習者の音声を評価する方法との関連で考えると、小学生に対して適切にシャドーイング指導を行うことで、intelligibility / comprehensibility および fluency を高めることができ、accentednessを下げることができると考えられる。本年度の事前調査から、小学生向けのシャドーイング練習評価システムを開発するにあたり、どのような英文を収集し、どのような写真や絵などの視聴覚的情報を補助的に与えるかについての方針や情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学生向けのシャドーイング練習評価システムの構築に向けての事前調査を、複数の小学校英語教育現場で実施することができ、小学校英語がかかえる音声指導と評価の問題点が明らかになったため、これらを解決するべく、どのような小学生向けシャドーイング練習評価システムを開発したらよいかについての方向性をつかむことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
小学生向けのシャドーイング練習評価システムで使用する、平易で親しみやすい韻律の英文を収集し、それらを小学生に音声教材として与えた場合に、学習意欲や学習の継続性をどのくらい高めることがことができるかを調査する。シャドーイング評価システムについては、一般には、アメリカやイギリスやオーストラリアなどのネイティブ・スピーカーの英語を基にして音響モデルを構築し、それらをシステムに組み込むことが多い。しかし、これでは、アメリカ英語をベースにした評価システムに、イギリス英語のネイティブ・スピーカーの発話を入力すると、評価得点が非常に低くなるという問題が生じる。本年度の調査から、小学校現場のALTは、カナダ人、フィリピン人など多岐にわたっている。評価システムの構築には、これらの多様な英語アクセントにも対応できるようなアルゴリズムを組み込むことを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
挑戦的研究(萌芽)の予算執行が実質的にできるようになったのは2019年度11月以降であり、翌2020年1月から3月にかけてコロナウイルスによる世界的パンデミックが発生し、国内出張や海外出張が困難な状況になったたえ、次年度使用額が生じた。2020年度には、小学生用シャドーイング練習評価システムの開発に向けて、小学生用シャドーイング教材の選定と収集、国内外の調査旅費、システム構築のプログラミング謝金、ネイティブ・スピーカーによるモデル音声録音謝金、録音スタジオ使用費などに使用していく計画である。
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Research Products
(14 results)