2022 Fiscal Year Research-status Report
自動評価機能とゲーム展開機能をもつ小学生向け英語シャドーイング練習システムの開発
Project/Area Number |
19K21791
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
山内 豊 創価大学, 教育学部, 教授 (30306245)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 小学校 / 英語教育 / 音声 / 評価 / システム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学生用向けのシャドーイング練習システムを開発し、教室の現場で実践することが目的である。シャドーイングは、モデル音声が耳に残っているうちに、すなわち、ネイティブ・スピーカーのモデル音声が学習者の作動記憶内の音韻ループ内に保持されているうちに口頭再生を行う。このため、英語の発音や韻律(リズムやイントネーション)の特徴を習得しやすい。小学生は耳が鋭敏で口・舌などの動きが柔軟な発達段階にあるため、シャドーイングは目標言語の音声的特徴を捉えて習得するのに効果的な練習法と考えられる。 小学生向けのシャドーイング・パフォーマンス評価としては、先に記したように学習者音声とモデル音声との関係が重要である。したがって,学習者音声がモデル音声にどのくらい近いか遠いかを基準にするのが適切であると思われる。本研究で開発するシステムには、このような評価ができるように、DTW(Dynamic Time Warping)という音声工学技術を取り入れた評価アルゴリズムを用いることになった。 文科省のGIGAスクール構想により、児童1人に学修端末1台が提供される学習環境になっている。さらに、今日では小学生が学校で使用している学習端末(Chormebook)を家庭に持ち帰って利用することが可能になった。これを活用し,学校の教室で開発システムのデモを実施し、実際にマスクを外してシャドーイング練習を行い,学習者音声を録音する作業は、家庭で実施し、シャドーイング音声をネットワーク経由で収集し分析するシステムの構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シャドーイング音声をネットワーク経由で収集し分析するシステムについて、教室で多くの学習者が同時にアクセスすると、始めにアクセスした学習者は問題なくシャドーイング練習を進めることができるが、IDやパスワードの入力などに手間取って後からアクセスした学習者は、シャドーイングのモデル音声が再生されなかったり、次の画面に進むのに非常に時間がかかるという現象が生じた。このアクセスに関する問題の原因を調査するため、サーバのアクセス・テストなどを実施しなければならず、これに多くの時間を要したため、シャドーイング音声をネットワーク経由で収集し分析するシステムの構築に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、シャドーイング音声をネットワーク経由で収集し分析するシステムの改良を、サーバなどのハード面およびプログラミングなどのソフト面から検討する。小学校の教室でデモを示し、それに基づいて児童が家庭の静かな環境でシャドーイング練習ができ、学習者音声がスムーズにサーバに転送されて自動評価され、評価結果がフィードバックされるシステムをより使いやすい形で構築する予定である。
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Causes of Carryover |
シャドーイング音声をネットワーク経由で収集し分析するシステムについて、教室で多くの学習者が同時にアクセスすると、始めにアクセスした学習者は問題なくシャドーイング練習を進めることができるが、IDやパスワードの入力などに手間取って後からアクセスした学習者は、シャドーイングのモデル音声が再生されなかったり、次の画面に進むのに非常に時間がかかるという現象が生じた。現在のままではスムーズなデータ収集が困難な状況となり、当初の計画を変更する必要が出た。 シャドーイング音声をネットワーク経由で収集し分析するシステムを改良するために、サーバに搭載するメモリーやディスクドライブの容量を増加させる。さらに、サーバに接続した音声保存機能について、理工系大学院生の協力を得て安定した転送と音声保存用のプログラムを開発して組み込む(物品、謝金使用)。また、システムの内容を拡充するために、小学生向けのシャドーイング教材をネイティブ・スピーカーの協力を得て録音して作成する(謝金使用)。このようなシステムで得られたデータを分析するためのソフトを購入して使用し、小学生の英語力の伸びを解析する(物品使用)。分析結果や得られた知見を国内外の学会や機関誌で発表していく予定である(旅費、その他)。
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Research Products
(7 results)