2021 Fiscal Year Research-status Report
特別支援教育が必要な在日ブラジル人・ペルー人の実態とアセスメントに関する研究
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19K21795
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Research Institution | Okazaki Women's University |
Principal Investigator |
白垣 潤 岡崎女子大学, 子ども教育学部, 准教授 (00341660)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人児童 / 日本語・日本文化 / 知的発達 / 特別支援教育 / インクルーシブ教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に三河地方の全市町村を対象として、在日ブラジル人・ペルー人を含む外国人児童の実態調査を行い、さらに、そのデータをもとに各小中学校、幼稚園、保育園、こども園を対象に在籍児童の実態及び教育・保育ニーズの調査を行なった。学校現場においても、外国人児童が多く、教育現場ではどのように対応したら良いか苦慮しているが、その手立ては確立されていない。在日ブラジル人、ペルー人保護者から要請があったケースあるいは、同意が得られたケースに関して十数件程度知能検査あるいは(及び)発達検査を行って来たが、言語を解さない動作性知能については生活年齢相応で、単に言語・コミュニケーションの問題だけであるというケースも少なくない。国は、学校教育法施工規則の一部を改正して「特別の教育課程」を位置付け、日本語指導を必要とする児童の指導を行っているが、現場の先生方からは、日本語さえできるようになったら学校に適応できるのかどうかは疑問であるとの声も聞かれる。今後、知能の問題なのか、日本語の言語・コミュニケーションの問題なのか、学校教育・家庭教育も含めた文化の問題なのか、対応の方策の導出を行っていき、外国人児童の対応についてインクルーシブ教育の推進に資する検討を行っていくという課題が導出された。 2019年度途中から、上記の調査をもとに、実際の教育・保育現場を訪問し、個別のケースのアセスメントを行い、対応について検討しているところである。2020年度から、新型コロナウィルスのために現場への訪問が制限され、思ったように研究事例数が伸びておらず、今年度も延長申請を行い、認められて引き続き現場への訪問を続けている。今年度末には報告書としてまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響で、当初の予定通り現場の小中学校、幼稚園、保育園、こども園を訪問し、外国人児童のアセスメントが行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究者は岡崎市教育委員会の特別支援教育専門家チーム、巡回相談員の一員であり、週1回程度現場の小中学校を訪問する機会があり、研究を推進していくための環境は整っている。今年度も、現場のニーズをもとに対応に苦慮している外国人児童の対応についてアセスメントを行って検討していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの影響によってフィールド調査が予定通り行えず、その結果見込んでいた予算の費消も行えなかったため、次年度も継続してフィールド調査を行うことと認め。
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