2022 Fiscal Year Research-status Report
戦後日本における学歴と所得:コーホートを基準とした学歴別生涯所得推計の試み
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19K21796
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
尾嶋 史章 同志社大学, 社会学部, 教授 (30177224)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 教育の経済的効用 / 生涯所得 / 疑似コーホート分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、出生コーホート別にみた学歴別生涯所得を疑似コーホート分析によって推計することを目的としている。本年度は以下の分析やデータ整備を行った。 1.就業構造基本調査を用いた学歴別に若年期所得(39歳まで)、中高年期所得(40歳から59歳まで)に分けてコーホート別に推計する作業を行った。これにより、コーホートの各段階での総所得変動が5コーホートに渡って推計できた。また特定年度による所得把握の方法の特異性を修正するために、各年度の所得把握基準を統一した分析を別途行った。 2.賃金構造基本調査に関しては、各年度の学歴別に年齢層別月収平均と一時金平均を用いて、各年齢層の平均年間所得を求め、回帰分析を適用して年齢ごとの推定値を求めた。そのうえで、物価指数で調整して各年度の年間所得のプロフィールを作成した。また各年齢別のデータがある年度に関してはそれを用いて、学歴別・年齢別年間所得を求めたうえで物価指数を用いて調整した。このデータを用いてコーホート別生涯所得を推計する作業を進めた。 3.個人の学歴別生涯所得の推計とともに世帯単位での所得の不平等問題にも学歴が関連している。この問題では、学歴同類婚の変化が夫婦合算所得の不平等にどのような影響を及ぼすのかに関心を持たれる。この基礎分析となる合算所得の不平等の変化に関して家族社会学会において報告するとともに、学歴同類婚の趨勢やそれと関連した所得同類婚の変化に関する基礎分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基本的なデータは整備したが、最終的な推計結果が確定していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者の意見も踏まえて、最終モデルを今年度中に修正し確定する。
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Causes of Carryover |
最終推計モデルの確定のための打合せ旅費を繰り越したため。
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