2019 Fiscal Year Research-status Report
地理情報システムによる小児の身体活動・睡眠に及ぼす地理・社会環境の影響
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19K21797
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
石井 好二郎 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30243520)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 思春期 / 肥満 / 地理情報システム / 食 / 身体活動 / 環境 / 小学生 / 中学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
小中学生の肥満度に対して近隣の食環境(コンビニエンスストア、ファストフード店、スーパーマーケット・デパート)、身体活動環境(公園、運動施設)が及ぼす影響を検討した。4723名の小中学生(小学校11校、中学校10校:小学生男子797名、小学生女子781名、中学生男子1556名、中学生女子1589名)を対象とした。質問紙で得られた学年、性別、身長、体重より肥満度(年齢別性別身長別)を算出し、20%未満を非肥満、20%以上を肥満傾向と分類した。また、近隣の食環境及び身体活動環境の評価には地理情報システムを用い、小児が在籍する学校の校区内でのコンビニエンスストア、ファストフード店、スーパーマーケット・デパート、公園、運動施設の有無を調査した。更に調整変量として投入するために、対象校の校区の大きさ(ha)や対象校が位置する都市の規模の情報を得た。 2段階のロジスティック回帰分析を用いて、小中学生の肥満度と食環境、身体活動環境との関連を検討した。 身体活動環境は、公園の有無、運動施設の有無ともに小中学生の肥満度に影響を与えていることが示唆された。公園や運動施設が肥満の抑制に影響を及ぼすことは、多くの先行研究で述べられており、本研究も公園や運動施設などが小中学生の身体活動の場として活用されていることが窺える。 一方、食環境の中では、コンビニエンスストアが肥満度と関連する因子として抽出されたが、その方向性は海外の先行研究とは逆の傾向を示しており、コンビニエンスストアがない校区では肥満である可能性が高かった。これは、日本と海外におけるコンビニエンスストアの実態が異なることによると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙による回収および入力が終了し、児童・生徒の身体活動や睡眠、肥満の状況が判断できるようになった。地理情報システムも様々なデータを統合しつつある。昨年度は、数として捉えやすい食環境(コンビニエンスストア、ファストフード店、スーパーマーケット・デパート)、身体活動環境(公園、運動施設)に関する分析を実施でき、おおむね順調な進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、「校区内の平均世帯収入・居住者最終学歴の影響」、食環境をコンビニエンスストア、ファストフード店、スーパーマーケット・デパートなどの営業形態別、身体活動環境の公園、運動施設の面積等も加味して分析を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
別の科研費での購入物品を、事務手続の際に誤って当予算より執行してしまったため戻し入れが実施された。今年度は当予算により地理情報システムのデータを購入し、研究を進める予定である。
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Research Products
(7 results)