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2023 Fiscal Year Research-status Report

公教育の次の段階の模索:共通の基盤形成に向けて

Research Project

Project/Area Number 19K21799
Research InstitutionKyoto Bunkyo University

Principal Investigator

中島 千惠  京都文教大学, こども教育学部, 教授 (20309107)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 服部 美奈  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
杉本 均  佛教大学, 教育学部, 教授 (50211983)
石川 裕之  京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (30512016)
澤野 由紀子  聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (40280515)
Project Period (FY) 2019-06-28 – 2025-03-31
Keywords公教育制度 / 学習保障 / 包摂 / ホームスクーリング
Outline of Annual Research Achievements

1.背景をより深く:2023年度は海外調査に行ける者は積極的に実施したが、インターネットで豊富に情報が得られる地域もあり、両面から実態を探った。アメリカではホームスクーリング(以下HS)を選ぶ人達も理由も多様化しており、ほぼすべての人種、特に黒人が増加した。中島は黒人増加の背景にある複雑な社会の実態や葛藤を、また松本はカナダBC州の在宅義務教育実践についてフィールド調査結果を日本比較教育学会第59回大会で報告した。
2.グローバル化する学びの場:コロナ禍の影響もあり、グローバル化が進んでいるのが、初等・中等段階のHSである。多様な児童のニーズを受け、公認・非公認のHSが高等教育のグローバル戦略や保護者の生涯学習とも結びつきながら公教育にもジワリと影響を及ぼしつつある。日本教育学会第82回大会では、生涯学習や高等教育も視野にいれ、HSを通して学びの場のグローバル化や多様化による公教育への影響、意図せざる結果、国家の枠組みから離脱しても結果的に国家の教育枠組みに戻らざるを得ない現実などを日本教育学会のラウンドテーブルで発表した(澤野タイトル提案、インドネシア(服部)、東南アジア(杉本)、韓国(石川)、カナダ(松本)、アメリカ(中島)。
3.学びの場の保障:石川が『現代韓国の教育を知る:隣国から未来を学ぶ』(共編著)で「普通の学校」では満たされない子どもたちの学び」について韓国の状況を伝えた。研究協力者の宮口は、学校外で保障されるべき『最低限の義務教育』の構成について、J.ドワイヤーとE.バーソレのホームスクール制度構想にみる保障原理を吟味した『日本制度学会紀要特別号』。
4.情報提供:研究協力者の松本は、「ホームスクールえひめ」の皆さんを対象にカナダのホームスクーリングについて講演をし、研究成果を通して家庭を拠点として学習する日本の子どもたちや関係者を直接、支援することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

(理由1)コロナウイルスの変種により海外調査に行けそうで行きずらい環境が続き、先方のアポイントも取りにくかった。
(理由2)一年研究期間の延長が可能になったことにより、内容の更なる充実を目指し、最終報告書の完成を2025年1月頃に延期した。
(理由3)2023年1月頃から2024年5月上旬にかけて研究代表者や研究分担者の異動があり、研究室の移動、諸々の書類作成提出など、物理的に研究に集中できない期間が3か月ほど続いたため。

Strategy for Future Research Activity

各国におけるホームスクーリングの動向も含め、最終報告書を作成する予定であったが、もう一年、研究期間を延長することができたので、国際的な動向も含め、2024年度に内容の充実を図ることにした。国によって程度や具体的な施策は異なるが、ホームスクーラーも包摂しながら公教育がシフトしつつある様子、そしてその変化の中で学習権の保障がどのように展開しているかなど、まとめる予定である。公教育がシフトしつつある様子に関する国際比較については、2024年7月に国際学会での発表も予定している。
また、過年度(2023年度)に実施した日本教育学会のラウンドテーブルにおける発表も文章化したいと考えている。最終報告書の完成も目指す。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由
(1)異なるタイプのコロナが出てきたことと、まだまだ感染者が周りにも多く、また政情が不安定であったため、海外調査や予定していた国際学会(於ニュージーランドなど)への参加が意図したとおりにはできなかったことが大きな要因である。(2)研究代表者、研究分担者それぞれに職務負担が大きかったこと、大きな生活の変化を経なければならなかったため。(3)調査など進めにくい状態にあったが、延長の可能性が出てきたため、2月、3月に予定していた海外出張や最終報告書の作成を延期することにしたたため。

2024年度は①国際学会の発表、②海外調査の追加的実施、②最終報告書の作成、③全体研究会の開催(2回~3回)を考えている。①は既にアメリカでの国際学会発表が決まっている。3月までにもう一つの国際学会発表を検討中である。②については、分担者も含め、海外調査の必要があれば実施する。③最終報告書の作成は従来通り冊子にするか、本にするか、あるいはインターネットによる形態にするか検討するが、できれば書籍にできないか検討する。次年度は最終年度であるため、研究会も最低2回開催して内容の充実を図りたい。

  • Research Products

    (15 results)

All 2024 2023 Other

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Presentation (7 results) Book (2 results) Remarks (2 results)

  • [Journal Article] アメリカにおけるホームスクーリングの多様な学習形態と重層的支援ーラベリングを乗り越えてー2023

    • Author(s)
      中島千恵
    • Journal Title

      こども教育学部研究紀要

      Volume: 第3集 Pages: 63-84

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 「学校外で保障されるべき『最低限の義務教育』の構成―J.ドワイヤーとE.バーソレのホームスクール制度構想にみる保障原理の可能性と課題」2023

    • Author(s)
      宮口誠矢
    • Journal Title

      『日本教育制度学会紀要特別号 教育制度学研究の成果と展望』

      Volume: 特別号 Pages: 313-330

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 「日本におけるホームスクール制度研究の動向と課題」(招待)2023

    • Author(s)
      宮口誠矢
    • Journal Title

      『教育制度学研究』

      Volume: 第30号 Pages: 196-203

  • [Journal Article] 日本におけるムスリム教育研究の動向とムスリム教育の現状2023

    • Author(s)
      服部美奈,松本麻美、アズミ・ムクリサフ、アマンダ・デ・ユリA・S, 他桝谷健太
    • Journal Title

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要(教育科学)

      Volume: 第70巻第1号 Pages: 115-149

    • DOI

      10.18999/nueduca.70.1.115

    • Open Access
  • [Presentation] ホームスクーリングを選択する黒人家族の増加に関する一考察2023

    • Author(s)
      中島千恵
    • Organizer
      日本比較教育学会 第59回大会
  • [Presentation] カナダBritish Columbia州におけるhomeschooling 研究ークリスチャンファミリーの教育実践に着目してー2023

    • Author(s)
      松本麻美
    • Organizer
      日本比較教育学会 第59回大会
  • [Presentation] 学びの場のグローバル化を問う:ホームスクーリングという人生の旅ー模索、ネットワーク化、開放への学びー(ラウンドテーブル)2023

    • Author(s)
      中島千恵
    • Organizer
      日本教育学会第82大会
  • [Presentation] 学びの場のグローバル化を問う:東南アジア英語圏におけるホームスクーリング(ラウンドテーブル)2023

    • Author(s)
      杉本均
    • Organizer
      日本教育学会第82大会
  • [Presentation] 学びの場のグローバル化を問う:インドネシアのホームスクーリングーナショナルを越える自由な学びの広がりと意図せざる結果ー(ラウンドテーブル)2023

    • Author(s)
      服部美奈
    • Organizer
      日本教育学会第82大会
  • [Presentation] 学びの場のグローバル化を問う:韓国のホームスクーリングにみる「混ざりあう学びの場」(ラウンドテーブル)2023

    • Author(s)
      石川裕之
    • Organizer
      日本教育学会第82大会
  • [Presentation] 学びの場のフローバル化を問う:カナダにおけるOnline Learning Programの広がりー公教育に押し寄せるグローバル化の波ー(ラウンドテーブル)2023

    • Author(s)
      松本麻美
    • Organizer
      日本教育学会第82大会
  • [Book] 現代韓国の教育を知る:隣国から未来を学ぶ2024

    • Author(s)
      松本麻人、石川裕之、田中光晴、出羽孝行編著
    • Total Pages
      272
    • Publisher
      明石書店
    • ISBN
      9784750357263
  • [Book] 「社会」はどう作られるか?:家族・制度・文化」(<ヒト>から問うジェンダーの世界史)2023

    • Author(s)
      姫岡 とし子、久留島 典子、小野 仁美編(服部美奈 分担執筆)
    • Total Pages
      284
    • Publisher
      大阪大学出版会
    • ISBN
      9784872597783
  • [Remarks] 京都文教大学令和5年度科学研究費助成事業による研究の概要(研究代表者分のみ)

    • URL

      https://www.kbu.ac.jp/kbu/reseach_ex/index.html

  • [Remarks] 中島科研課題

    • URL

      https://www.kbu.ac.jp/kbu/reseach_ex/pdf/r01cnakajima.pdf

URL: 

Published: 2024-12-25  

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