2020 Fiscal Year Research-status Report
任意の硬さに調整可能な皮膚モデルの製作技術の確立と硬さ識別学習キットの開発
Project/Area Number |
19K21804
|
Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
土井 幸輝 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 情報・支援部, 主任研究員 (10409667)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 崇宏 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 発達障害教育推進センター, 研究員 (70733591)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | 硬さ / 識別 / 皮膚モデル / 学習キット |
Outline of Annual Research Achievements |
あん摩マッサージ指圧師等を育成する特別支援学校(視覚障害)の専攻科理療科では,生徒同士が被施術者や施術者になりながら揉捏(揉むこと)や圧迫(圧すこと)等の基本的な訓練が行われている.患者や部位によって皮膚や筋肉など組織の硬さが様々異なるため,触察技術の習得は容易ではなく,教育現場からは効果的な学習キットの開発が求められている.しかし,任意の硬さに調整可能な皮膚モデルを用いて自主的に触察能力を向上させることを目指した学習キットに関する研究開発は充実しているとはいえない.本研究では,硬さ調整可能な皮膚モデルを製作し,この皮膚モデルを接触対象物として,音声で硬さの情報を確認することのできる機能を搭載した硬さ識別学習キットを開発することを目的としている.まず,初年度には硬いものから柔らかいものまで物理的な硬さを調整可能な擬似的な皮膚モデルを製作した.具体的には,あん摩マッサージ指圧師等を志向する中途視覚障害者の指導実績を有する特別支援学校(視覚障害)の専攻科理療科の教員に助言をもらいながら,硬さ調整可能な皮膚モデルの試作版を製作することができた.次に,視覚障害者が硬さの異なる皮膚モデルに触れた際に,その硬さを視覚障害者自身が音声で確認できる硬さ識別学習キットのプロトタイプを開発することができた.こうした取組を踏まえ,令和2年度は,硬さ調整可能な皮膚モデルの改良を行った.また,これまでの研究成果の一部を誌上発表することができた.さらに,初年度に開発した硬さ識別学習キットのプロトタイプを改良してバージョンアップすることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は,初年度に試作した皮膚モデルを改良することができた.また,硬さ識別学習キットのプロトタイプを改良してバージョンアップすることができた.こうしたことから,現在までおおむね順調に進展していると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,令和2年度に改良した硬さ調整可能な皮膚モデルや硬さ識別学習キットを可能な範囲で協力を得て,専門家の助言をもらいながら,より良い皮膚モデルや硬さ識別学習キットの完成度を高める予定である.
|
Causes of Carryover |
令和2年度は,音声で硬さを確認できる機能を備えた硬さ識別学習キットの改良機(2号機)を手掛けることができた.可能であれば,さらに改良機(3号機)を手掛けられれば良かったが,次年度にあらためて専門家と協議を重ねることも大切であると考え,3号機の試作には至らなかったため次年度使用額が生じた.3年目(2021年度)における使用計画については,令和2年度に試作した2号機の改善点を踏まえ,3号機を試作する費用として有効に活用する予定である.
|