2019 Fiscal Year Research-status Report
Foundation of cultural cognitive Science: Data-driven investigation on long-term cognitive change
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19K21814
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋木 潤 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60283470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 祥行 京都大学, こころの未来研究センター, 特定講師 (80582494)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 文化間比較 / 視覚認知 / 視覚探索 / 文字認識 / 視覚的景観 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、長期的な視覚経験による認知変容のメカニズムを機械学習の手法などを利用した構成的な手法によって理解することを目指している。並行して、その基盤となる視覚認知の文化間変異についての行動データをさらに収集して、構成的手法との整合性の評価も目指している。 今年度は、人間の視覚認知特性の文化間の差異を調べるために、視覚探索課題の成績および映像視聴中の眼球運動を検討した。視覚探索や、映像認知における行動や眼球運動の文化差を説明する仮説として、文字の認知、景観の認知を設定し、それぞれについて構成的な手法によるシミュレーション研究を進めている。 文字認識が視覚探索に対する影響を検討するために、視覚探索の標準的な計算モデルである顕著性マップモデルに着目し、視覚探索非対称性が文化によって異なるという知見を説明するメカニズムとして、探索時の注意範囲の大きさ、文字の長期経験による視覚特徴セットの差異の効果をシミュレーション実験で検討している。探索時の注意範囲が小さい場合は日本人が示す非対称性の欠如、範囲が大きくなるとアメリカ人が示す探索非対称性が再現できることが分かった。また、ひらがなと漢字のデータセットを独立成分分析した結果抽出される視覚特徴に質的な差異があることが示された。今後は、アルファベットについても検討し、視覚特徴の差異が視覚探索に与える影響も検討していく。 景観の認知が視覚認知に与える影響を検討するために、長期経験による視覚認知特性の変容のシミュレーション実験を計画している。インターネット上のシーンを収集し課題のための画像セットを作成した。今後は、これを用いて、人間がどのような特徴を抽出しているのかを機械学習によって検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視覚探索における文化間変異の原因として考えられる二つの要因のうち、文字認識については、予想以上の進展があり、大きな成果が期待できる。景観認知の効果については、シーン画像セットの作成に予想以上の時間がかかったこと、ライフロギングのデータ収集が年度末の新型コロナウイルスの影響により不可能になったころから、少し軌道修正を余儀なくされている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、少なくとも前半は行動データ、眼球運動データの取集、及び、ライフロギングデータ収集が困難であるため、研究の主力をインターネットデータを用いた機械学習の方に移して研究を推進する。画像セットについては、タグ付けの作業を簡略化するために、Flickrなどのタグ付けがなされた画像データベースを利用することを計画している。これにより、DNNでの学習に十分な数の画像を準備する。ライフロギングについては、年度後半にデータ収集が可能になれば、再開する。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Did you see that? I did! A cultural comparison of volitional attention and attentional selection in film,2019
Author(s)
Simonson, T. L., Kumakiri, S., Takamori, R., Hutson, J. P., Ueda, Y., Saiki, J., & Loschky, L. C.
Organizer
Psychonomic Society’s 60th Annual Meeting
Int'l Joint Research
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