2022 Fiscal Year Annual Research Report
Foundation of magnitude homology and applications
Project/Area Number |
19K21826
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉永 正彦 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90467647)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | マグニチュード / マグニチュードホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
Leinsterにより距離空間の「大体のサイズ」を測る不変量としてマグニチュードが導入され、その圏化としてマグニチュードホモロジーが導入された。今年度は、研究協力者の田嶌氏と離散モース理論を使ったマグニチュードホモロジーの研究を行った。マグニチュードホモロジーは一般の距離空間に対して定義されるが、有限グラフから定まる有限距離空間についてもその振る舞いは不明な点が多い。当初は「グラフのWhitneyツイストでマグニチュードホモロジーが不変か?」という未解決問題を目標に研究を行っていたが、解決には至っていない。その過程でマグニチュードホモロジーに関する既存の結果(Mayer-Vietoris型定理、Kunneth型定理など)が、離散モース理論を介して古典的な位相幾何的な結果に帰着されることが明らかになってきた。このような観点から、距離空間に対して、そのホモロジー群がマグニチュードホモロジーと同型となる単体複体の空間対「マグニチュードホモトピー型」という空間(単体複体対)を定式化してその基本性質を調べた。 研究期間を通して離散幾何やトポロジーの多くの専門家との議論を行った。その結果、既存の代数トポロジーとの関係や、マグニチュード特有の新しい側面が明らかになりつつある。マグニチュードをテーマにしたワークショップが行われ、浅尾泰彦氏(福岡大学)、五味清紀氏(東京工業大学)、平岡裕章氏(京都大学)などの新たな参画もあり、国内で、応用を視野に入れたマグニチュードホモロジーの幅広い研究が展開されつつある。しかし本研究の到達点として、次の問題を問いたいと思う(この問題は、Kaneta-Yoshinagaの研究を引用して、Leinster氏も "big open question" と設定している問題である):「連続距離空間のマグニチュードホモロジーの、より適切な定義を与えよ。」
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Research Products
(3 results)