2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on spatial graphs in the simple cubic lattice and its application to polymer science
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19K21827
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
下川 航也 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60312633)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | ポリマー / 格子結び目 / 空間グラフ / 多環状高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
この申請課題では、結び目理論と空間グラフ理論を駆使し、これまで多くの成果がある立方格子内の結び目の研究を、空間グラフの研究へと発展させることを目標としている。さらにその成果を多環状高分子の研究に応用し、複雑な構造をもつ高分子のトポロジーと物性との関連を明らかにしていく。 今年度の研究では、空間グラフの頂点の次数が3の場合について、結び目や絡み目の場合に定義されていたBFACF移動を拡張した。さらに、同値な立方格子内の空間グラフはそのBFACF移動で移り合えることを示すことが出来た。この成果を論文としてまとめ、公表する予定である。この成果は、立体格子内の頂点の次数3の空間グラフに関するシミュレーションの数学的基礎となる結果である。頂点の次数が3であるような空間グラフの形状をもつ高分子は手塚氏などによる多環状高分子など最近色々と構成されているが、この研究とそれをもとにしたシミュレーションは、それらの多環状高分子の慣性半径などの研究などに応用できると考えている。これにより、これまで扱うことが難しかった複雑な高分子のトポロジーとその物性の関係が明らかになると考えられる。 また、今年度は8月に国際シンポジウム"Polymers and networks via topology and entanglement"をお茶の水女子大学において開催し、高分子を扱う数学、物理学、高分子化学の研究者との研究打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、BFACF移動に関する研究を次数が3の空間グラフについて完成することが出来た。この研究成果を論文にまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次数が3の空間グラフに関するBFACF移動に関する研究を元にシミュレーションの基礎付けを行う。また、それぞれの結び目型についての最小ステップ数の研究を行う。それらの成果を高分子のトポロジーの研究へと応用を目指す。
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[Book] Topology of Polymers2019
Author(s)
Shimokawa, Koya, Ishihara, Kai, Tezuka, Yasuyuki
Total Pages
89
Publisher
Springer, SpringerBriefs in the Mathematics of Materials
ISBN
978-4-431-56886-5
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